国際認証取得で青森県産りんごの商品力強化

 青森県のりんご農家がグローバルGAPなど国際認証システムの取得に向けて動き出している。取得により県産りんごの商品力強化と輸出機会を創出し、海外産りんごと対峙する体制を整える。
 青森県は独自に「果樹農業振興計画」を今年3月に発表し、輸出振興に向けて「県産青果の商品力強化には、グローバルGAPをはじめHACCP、ISO、BRCなどの国際認証の取得を奨励、促進する」という方針を示している。
 その方針に応じるため、国際的な第三者認証機関であるテュフズードの日本法人テュフズードジャパンは青森県のリンゴ農家7000軒を傘下におく弘前中央青果とともに,同組合メンバーの地域幹部を対象にグローバルGAP取得に関する啓発セミナーを5日と9日に開催する。
 日本産りんごは国内果実総輸出総額の65%を占め、その九割が青森県産。また、青森県のりんご輸出は100年以上の歴史があり、現在も東南アジア、米国、ヨーロッパ、中東など10カ国以上の国々との取り引きがある。
 こうした実績から輸出果実の「成功例」として賞賛されてきたが、長引く円高や主要輸出先の台湾では韓国産、米国産りんごとの厳しい価格競争に加え、福島原発の事故に伴う放射能の風評被害など、現在では輸出自体が厳しい状況にさらされている。
 また、日本では大きすぎたり、小さすぎるりんごは市場で受け入れられ難く、ジュースなどの加工品として安い価格しかつかないが、中国や台湾では大きいりんごほど好まれ、ヨーロッパでは小さいりんごが好まれるというし好があるなど、市場に合わせた輸出体制を整えることが急務となっている。特にヨーロッパはこれから成長性のある有望な市場であるため、商品価値向上の手助けとなるグローバルGAPの取得が必須となっている。
 グローバルGAPは農薬管理や衛生面などで生産側が守るべきルールを第三者が審査・認証するシステム。今後の同県のりんご輸出戦略で重要な国際認証であるとともに、海外産りんごと互角に対するために不可欠なものと位置づけている。