品目の入れ替えで効率化、人手不足が課題
すぐる食品 深川工場
越智工場長
すぐる食品（東京、宮崎勇二社長）は北海道に深川工場、士別工場（士別市農畜産物加工�蝓法�中標津工場の３工場を持つ。北海道工場の中で最も生産量が多いのが深川工場（深川市、越智雅樹工場長）。同社は本州の浜松と新潟にも工場があるが、北海道の３工場は特に小ロット対応と手作り感のある商品を作ることが出来るのが強み。中標津工場は卵製品を中心にポテト製品や現地の生乳を使ったグラタン類等を生産している。士別工場はポテト製品が中心。
鶏卵製品が主力の深川工場
深川工場は生産品のほとんどが鶏卵加工品、特にオムレツ類の「アンサンブルエッグ」を主力としている。卵製品が多いだけに昨年の農産原料の不足の影響も他社に比べれば大きくなく、「微増かほぼ前年並み。原料的にも大きな問題はなかった」（越智工場長）という。同工場は学校給食関係の商品が多いが、このところ増えているのが病院給食系。商品では「カルシウム入りスクランブルエッグ」が好調で、昨年大きく伸びた。今年は前年比ではそれほど大きな伸び率ではないが、「安定して売れるようになっている」（同）。
原料で若干影響があったのが鶏卵価格の値上がり。鶏卵そのものの価格というより、物流コストが上がった。しかし、工場出荷価格は上げていないという。
課題となっているのは他社と同じく人手不足。一時期は50人弱いたが、現在は派遣社員を含め35名ほどになっている。
「深川市で一番最初に派遣社員を入れたのは当工場だが、その後は周辺の工場も派遣社員を使うようになった。深川市ではなかなか工場の働き手が見つからない」（同）。とはいえ、事務員を募集するとすぐに応募が来るのだから、現場作業員の確保は難しい。
「今でも人を増やせば増産は出来る。最低でも６人、出来れば10人欲しいところ」というのが実情だ。
省人化などで対応しているが、手作り風の商品が強みでもあるだけに、大型の機械で大量生産するようなことは考えられない。焼きあがった卵製品を一度に数枚カットする道具を作るなど、細部の工夫を続けている。
すぐる食品深川工場
このところ進めているのが生産品目の入れ替え。
今年４月は「スペイン風オムレツ800」を士別工場に生産移管した。士別工場はポテト製品も生産しているためそのほうが適しているという判断。一方で浜松工場から「具たっぷりスペイン風オムレツ600」を深川工場に持ってきた。
こうした工場間の品目移管に対応するため、今年１月に深絞り包装機を１台導入する。同工場は３台の深絞り包装機を持っているが、「各工場で対応するフィルムのサイズが異なるため、商品を移管すると規格も変えなくてはならなかった。そこで、既存の古い機種と入れ替える」（同）。
深絞り包装機の入れ替えを機に、日付印刷を行うインクジェットプリンターを２台導入する。今も１台がインクジェット方式だが、導入により３ライン全てがインクジェット方式に変わる。
押印式だとちゃんと日付が印刷されているかを注意深くチェックしないといけないが、インクジェット式にすれば結果的に効率改善につながる。
インクジェットプリンター