アスピアの主力商品「ECOSAS油ろ過機」、
食用油高騰の影響で受注を伸ばしている
厨房関連機器メーカーのASPiA(=アスピア、鹿児島市、笹原憲久社長)は全国農業協同組合連合会と店舗設備機材などの売買基本契約を1月1日締結した。鹿児島県内の民間企業が全農と直接取引契約を交わすのは初とみられる。
アスピアは業務用食用油の高騰で引き合いが強まっている「油ろ過機」やグリストラップ(油水分離槽)用の油吸着材・浄化剤、廃油装置、オートリフターなどのほか、除菌・抗菌・消臭スプレーの銀イオン水を販売する。
銀イオン水の「CERAS(セラス)」は新型コロナウイルスに対して不活性化効果を持つことが、東京医科歯科大学、宮崎大学との共同研究で確認されている。
アスピアはこれまでも全農グループ「Aコープ」への納入実績があったが、油ろ過機に故障が少ないことやアフターメンテナンス体制が整っていたことが本部の信頼獲得につながった。直接契約を交わしたことで、今後は取引規模のさらなる拡大やブランドイメージの向上が期待できる。
笹原社長
笹原社長は今回の契約締結に際し、次のようにコメントしている。
「我が社のオリジナルブランド『ECOSAS』は現場が必要としている商品をゼロから作り上げる。現場の声を十分理解し、商品作りに反映させる。
言葉で言うのは簡単だが、商品開発は想像以上に手間がかかる。試作機を作り、そこから取引先の現場で2カ月間以上テストを行う。
ユーザーは大手上場企業が多いため、驚くような要求も出されるが、実はそれこそが大事で決して手を抜かない。毎日、社員が交代で現場を訪問し、徹底して分析を行う。最終的な価格についてもお客様の負担を抑える努力は惜しまない。
地道な作業だが、現場のお客様が本当に必要とし、喜んでもらえる商品を作ることが『ものづくり』の本質。現場は嘘をつかない。本物を作れば必然的に結果が出る。
今回契約に至ったのは、小さな会社でも『本物を追求した商品作りの会社』であると理解して頂けた結果ではないかと考えている。
これからも現場が必要とする商品を生み出す会社であり続けたい」。