10月にプロセスセンター増築、さらなる増産体制も視野に
セントラルフーズ 横浜工場
東急グループで食品製造卸販売業を担うセントラルフーズの横浜工場（東京都町田市、田村暢宏工場長）は精肉パッケージ、加工品をスーパーなどの精肉売場に供給しているが、需要増加に対処するため、プロセスセンターを7月から拡張工事し、生産能力を高めて10月から稼働開始した。
横浜工場外観
敷地面積3517�屐�延床面積は4260�屐�プロセスセンターは延床面積1061�屐�そのうちの110�屬鮑２鶻板イ靴拭�新規の生産機械を３台導入してラインのレイアウトを変更し、生産数量を１日5000パック増加した。同時に工場内の下駄箱、ロッカーを増設し、従業員増に対応した。
生産品目は牛肉、豚肉、鶏肉、挽肉の精肉パック、その他に鍋セット、しゃぶしゃぶセットなど、現在約400アイテムを製造している。
切り落し、薄切り、生姜焼き用、しゃぶしゃぶ用、唐揚げ用などの定番品以外に、最近では小口切り、焼肉用など特殊なカットにも対応している。また味付肉、ハンバーグ、鶏すり身、餃子の具など、半製品の製造も手掛けている。
同工場はプロセスセンターを併設した横浜物流センターとして1971年に設立された。その後、いかに増産するかという課題に向き合いながら進化してきた。1988年に物流センター増改築工事が終了し、プロセスセンターの増産体制を確立。1997年にコンベアラインを増設・延長し、さらなる増産に結びつけた。
数量が毎年増えているノントレーエコパック
2010年からは国道16号線の拡幅と併行して横浜工場改修工事に着手し、プロセスセンターを１階から３階に移設。2011年からは新しい加工場で製造を開始し、１日２万パックの生産体制になった。
新規取引先の開拓、新製品導入などで、2013年には１日平均製造数が３万パック、2015年は４万パックを超えた。その間、レイアウト変更、新規生産機械の導入、従業員増で対応してきたが、今年の最需要期の冬には、日産５万パック以上の数量が見込まれ、現状のままではもはや増産への対応が難しくなった。
そこで今年７月からプロセスセンターの拡張に踏み切った。
ノントレーエコ包装精肉パックが伸び支える
東急グループの食品トレー削減の取り組みとして2011年から販売している「ノントレーエコ包装精肉パック」シリーズは年々販売量が増えている。トレーを使用せずに真空パック包装した商品で、そのまま冷凍保存でき、家庭でのゴミ処理が簡単。トレーを使わないことで、二酸化炭素の削減にも貢献している。
製造は寺岡精工とスペインの世界的な包装機器メーカーULMA社が技術提携して開発した深絞り包装機で行っている。現在２台設置しており、１台は拡張したスペースで作業できるようにした。
多くのパート社員が勤務
大型機械の導入に加え、スライサーなどできるだけ機械化することで、従業員の肉体的な負担を軽減しているものの、人手がかかる作業は多い。
プロセスセンターの従業員数は今年10月時点で330名。社員28名で、パート社員は302名。９割をパート社員が占める。
パート社員の募集は以前、１日８時間のフルタイム勤務を中心に募集していたが、応募者が少なく、雇用は厳しかった。
そこで短時間勤務、休日の希望を考慮するという募集内容に変更したところ、好条件の職場として主婦の応募が増え、口コミや紹介で新しいパート社員が応募する体制ができたという。
掲示物は外国語併記
また、日本語学校に通う20〜30歳代の外国人留学生を積極的に採用。プロセスセンターは大晦日以外の364日、24時間稼働しているが、生産スケジュールに合わせてバランス良くシフトを組んで対応している。
工場内の掲示物は日本語のほかに、外国人従業員向けに外国語で表記し、重要事項を伝えている。
同社では「需要は増え、販売先もまだまだある。横浜工場の拡張も視野に入っている。
増産には機械化も重要になってくる。平井カンパニー、日本キャリア、なんつね、長沼製作所、ワタナベフーマック、寺岡精工、大和製衡、アサヒ産業は工場がやりたいことを実現してくれる重要なパートナー。相談すると応えてくれ、効率の良い増産が実現できる。
今のところ人手不足に悩まされることがないのは強み。今後も増産をどう実現していくかがポイントになる」としている。