総合マーケティングビジネスの富士経済によると、2009年の魚肉ハム・ソーセージの市場規模は466億円と見込まれており、前年比99.4%とほぼ横ばいで推移した。
08年はスリミ価格の高騰や輸送コストの増加などで値上げが相次いだが、メタボへの関心の高まりを追い風に、マルハニチロ食品の「DHA入り リサーラソーセージ」が売上げ実績を伸ばしたほか、日本水産の留め金をプラスチック製にした「エコクリップ おさかなのソーセージ」(07年発売)が好調を維持した。それ以外の各社も積極的な販促が奏功し、08年の市場は前年比9%増となった。
魚肉ハム・ソーセージはもともと、手軽で食べやすく、安価で、子供のおやつや酒のつまみとして定着。09年も健康志向から引き続き消費者の支持を得ているが、景気の悪化を受けて低価格商品、特にPB商品の需要が高まったため、数量ベースでは0.1%減、金額ベースでは0.6%減と見込まれる。低価格商品の需要が高まっているが、DHA入りなど高付加価値商品の需要も維持しており、価格面では二極化しているようだ。
このほか富士経済は水産加工品全般についても調査。ねり製品、海苔、佃煮、かつおパック、塩辛、もずく・めかぶ、スモークサーモン、水産缶詰、辛子明太子などを対象とした。
かまぼこ、揚げかまぼこ、風味かまぼこ、おでんなどの水産ねり製品は2008年に原料スリミの価格が高騰し、春と夏の2度にわたって値上げが実施されたことから消費者の買い控えが起こった。09年はスリミ価格が下がり始めたため、製品値下げに踏み切ったメーカーが出てきているものの、需要回復には結びついておらず、市場は縮小が続くと見込まれている。