柿渋入り抗ウイルス剤で特許

 アルタンは広島大学とともに柿渋を含有する抗ノロウイルス剤に関する特許をこのほど取得した。既にホテル・レストラン・介護施設・居酒屋チェーン・食品工場などで幅広く使用され、これまでに累計約100万本を出荷している。

食品工場でも採用されている

 開発したのは2006年。当時ノロウイルスによる食中毒は、食中毒患者数の7割を占め、大きな社会問題となっていた。アルタンと広島大学は生柿から抽出した柿渋を含有したエタノール製剤が99%以上のノロウイルス遺伝子を消滅させることを発見し、翌07年9月26日に開催された第28回日本食品微生物学会で発表。同年11月に柿渋入りエタノール製剤の発売を開始した。
 製品としてはエタノール製剤(食品添加物)の「アルタンノロエース」、ハンドソープ(化粧品)の「アルタンNAハンドソープ」、手指消毒剤(化粧品)の「アルタンハンドローションKT」などがある。
 柿渋は植物の柿を絞って抽出したもの。柿渋の濃度が0.1%以上であれば効果を発揮することも検証しており、低濃度の含有で効果を発揮するため安全性が高い。ノロウイルス食中毒にかかりやすい高齢者や乳幼児も安心して使用できる。