衣料再生でSDGsに貢献
  CO2削減に貢献するブリング


 ブリングのサイクル(※はポリエステル繊維対象)

 ユニフォーム製造業のアイトス(東京都台東区、伊藤崇行社長)は日本環境設計が手掛ける衣料リサイクル「BRING(ブリング)™」を使用したサービスを展開。「つくる責任、つかう責任(目標12)」などをはじめとしたSDGs(持続可能な開発目標)に貢献している。

 企業向けのユニフォームの約9割には石油由来の化学繊維であるポリエステルが使用されている。これまでにもペットボトルなどをリサイクルした原料を使用したユニフォームなどはあったが、使用済みのユニフォームは産業廃棄物として扱われ、そのほとんどが焼却処分されている。

 アイトスブリングのリサイクルシステムでは使用済みユニフォームからポリエステル原材料、糸、生地、新たなユニフォームへと生まれ変わらせるプロジェクトを展開する。石油由来のポリエステル生産と比べてCO2を約55%削減する。

 アイトス商品であればサービスの利用が可能。提携している運送会社が一部離島を除く全国各地へ回収に向かう。送料の負担はない。

 回収実施の数日後にはリサイクルの証となる「回収品受け取り証明書」がユーザー専用ウェブページにアップロードされ、ユーザーのCSR(企業の社会的責任)に貢献する。累計200社以上が同取り組みに参画しており、2021年度は200tの古着を回収した。ブリングで再生されたポリエステル樹脂糸を10%以上含む「BRING Material™」を使用したユニフォームの販売も行う。

空調服の活躍フィールドを拡大

   アイトス独自の空調服を提案

 アイトスが提案するSDGs達成への取り組みはブリングに留まらない。空調服や女性向けユニフォームの販売もその一つといえる。

 空調服は電力消費の多いエアコンの使用料を抑えられることから目標13に加え、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに(目標7)」などへの貢献が期待されているアイテムだが、物流配送業では導入が難しいとされていた。車の運転や荷物を肩掛けする際にファンの通気口がふさがるケースが発生するためである。

 アイトスは従来のデザインを検討し、ファンの位置を通常のものと比べてサイドに移動。さらに、アイトスオリジナルのスペーサーパッドを採用することで、シートベルトやシートの干渉を受けずに“空気の道”を確保することに成功した。空調服の活躍できるフィールドを広げた功績は大きい。

多数の選択肢と可能性

SDGsの取り組みを紹介

 伊藤社長は「ユニフォームは素材や機能性に多数の選択肢と可能性があり、当社は長年蓄積したノウハウをもとに各企業の要望に合ったユニフォームを提案できる。企業のSDGs達成への取り組みやCSRに貢献できることは多い。お気軽にご相談いただきたい」と話す。

 同社は「ジェンダー平等を実現しよう(目標5)」にも注力しており、働くすべての女性たちに寄り添った「レディースユニフォームカタログ」を用意するほか、女性従業員のパワーや発想を具現化する「AITOZ WOMEN'S PROJECT(AWP)」を社内活動として推進している。