トウメイフーズを合併し再スタート
ハンスイ 實方 誠一社長

 ハンスイは4月に同じ横浜丸魚グループのトウメイフーズを吸収合併した。實方誠一社長は「両社の合併は横浜丸魚グループ会社の強化、効率化を図るもの。この手始めとして、ハンスイの厚木加工センターを廃止し、旧トウメイフーズの加工場をハンスイ・東名センターに改め、これまでの両加工センターの業務を集約する。9月末に廃止と集約を実施し、新生ハンスイの実質的なスタートとなった」とした。

      實方社長

 ――今回の吸収合併について。
 實方 デフレ不況による低価格競争が激化する中、顧客ニーズの変化に対応した迅速、的確に対応できる体制の構築が急務となっています。
 関東圏を中心とした外食産業向けの食材を提供するハンスイと、大手スーパーの水産物デリバリーと加工パックを中心とした水産物流通拠点のトウメイフーズを統合し、業務の集約化、効率化を図り、コスト削減効果を期待して取り組んでいくことになりました。
 特にトウメイフーズはこれまで量販店の通過型の流通センター(TC)を行っていましたが、これは顧客のニーズに合わせて、ムリをしてきたため不採算となっていました。今回、これらの業務を取り止めるなど、業務の見直しとスリム化を図ります。

厚木加工センターを廃止、売却に

 ――まず、何から手をつけたか。
 實方 最初のステップとして、厚木加工センターを廃止し、香川県の瀬戸水産に建物を売却しました。瀬戸水産の営業所が隣にあり、これまで同社の養殖魚の加工を同センターに委託していた関係にありました。そこで、引き続き養殖魚の加工を引き継ぐことから、売却先となったものです。また、ハンスイの鮮魚の1次加工を逆に依託することになっています。

 ――ハンスイ東名センターや今後の取り組みについて。
 實方 寿司ダネ、居酒屋向けの製品加工や量販店向けの加工を行いますが、例えば居酒屋チェーン店などの外食産業においては、メニューの価格が196円、296円、396円と、低価格で定額販売のいわゆる『Wテイ化』しており、これへの対応を図らなければならないなど、かなりの苦労を強いられいます。
 原魚の仕入れ、加工、運送などを見直す一方、営業活動についても強化し、業務の全面的な改善を図っていく方針です。

 ――今期の売上高の目標は。
 實方 新生ハンスイの今期の売上高の目標は110数億円としています。