【年頭所感】
国際化戦略のもと海外市場開拓へ
日本包装機械工業会 大森利夫会長

      大森会長

 平成29年度のわが国包装機械産業の生産実績は、継続的な設備投資促進税制の効果や北米、アジアなどの海外市場開拓などの成果もあり、対前年度比5.2%増の4295億円を記録した。今後、成長する新興国市場などにおいて海外メーカーとの競争に打ち勝つためには、わが国もこれまで以上の国際化戦略が求められる時期になっている。積極的に海外情報を収集し、新製品・新技術情報を全世界のユーザー企業に向けて発信強化することで海外市場開拓につながり、経営基盤の安定化をもたらすと確信している。
 また、包装機械を含めたものづくり産業を取り巻く経営環境は大きな変革期にあり、さまざまな分野においてロボット、IoT、ビッグデータ、AIなどの先端技術を活用しながら産業のイノベーションを起こしていくことが、製造業のみならず社会全体への進化につながるものと思う。その実現に向けて、企業間・産業間・産学間の連携を強化し、新たな付加価値を高めていきたいと考える。
 わが国の包装機械産業は食品、医薬、日用品・化粧品、流通など生活産業全てのユーザー産業の生産の高度化に寄与することで安全・安心な生活基盤の維持に貢献すると同時に、少子高齢化などの社会構造の変化、環境問題、食料問題などの課題解決に向けても積極的な取り組みを強化したい。そのためにも、これまで以上に海外の包装関連の調査研究、技術高度化、人材育成、広報・販売、展示会などの事業を幅広く展開していく。これらの事業を通じて会員企業のベネフィットにつながる事業の具現化にも努める。
 昨年10月には最大のイベントである「JAPANPACK2017日本国際包装機械展」を開催することができた。「新しい包程式、ここに集まる。」をテーマに出展企業の新技術、新製品の発表や関連業界との共同事業などを展開した。次回は2019年10月に幕張メッセで開催する。
 今年は、昨年の当会創立50周年から新たな一歩を踏み出す重要な年になる。今後の国際的な大きな変革期を見据えて次世代へとバトンをつなげていきたいと思う。