食品トレサビ講座、10月開催

 東京大学、食品需給研究センター、農業開発研究センターは「食品トレーサビリティ公開講座」を東京大学本郷キャンパスで10月5日、6日開催する。原理と導入手順、電子情報システムの利用について論じる。さらに、ucodeを用いたトレーサビリティの情報システムによる実習を行なう。
 昨年の事故米の市場流出事件を受けて制定された「米トレーサビリティ法」に基づき、今年10月から米と米加工品のトレーサビリティの確保が義務づけられる。これは、先にBSE対策のために牛と牛肉に導入が義務化されて以降の大きな適用範囲の拡大となる。
 講座は食品トレーサビリティの定着のために、トレーサビリティの管理者やアドバイザーなど専門家を育成することが目的。そのため、食品トレーサビリティの原理と導入手順、電子情報システムを利用する場合のユビキタスの考え方、食品衛生管理や国際的な動向について論じる。さらに、ucodeによるユビキタス技術を用いたトレーサビリティの情報システムによる実習を行なう。これにより、食品トレーサビリティの仕組みをつくる能力とともに、情報システムを立案できる能力と知識が獲得できるようにする。課程修了者には修了証書を発行する。
 事業所や農場で品質管理や品質保証を担当する部署、国や地方自治体など行政の立場で指導する人、農業協同組合や団体・協会、情報システム会社などで支援する立場の人の受講を呼びかけている。

プログラムは以下の通り。
■10月5日(火)
10:00〜11:30 「食品トレーサビリティの原理」 京都大学農学研究科 新山陽子教授
11:40〜12:40 「食品トレーサビリティシステムの導入の進め方と導入事例」
食品需給研究センター 酒井純主任研究員
13:30〜14:50 「さまざまな情報媒体とユビキタス」 東京大学大学院 坂村健教授
15:00〜16:00 「近年の食品事故と食品安全・衛生管理の考え方、トレーサビリティの可能性」 東京海洋大学 日佐和夫教授
16:10〜17:10 「トレーサビリティの国際動向と日本の米・米製品への導入」
東京大学大学院経済学研究科 矢坂雅充准教授

■10月6日(水)
10:00〜16:00 演習「ucodeを用いたトレーサビリティシステム」
東京大学大学院 越塚登教授
16:00〜   修了式