製造業全体に向け情報発信

 各種製造業やインフラ業界の関係者に向けて、環境対策技術・製品、省エネ技術・製品、新エネルギー技術・製品を提案する「スマートエンジニアリングTOKYO2016」が東京ビッグサイトで10月26〜28日開催された。
 2014年度まで開催されていた「グリーン・イノベーションEXPO」の内容をブラッシュアップし、プロセス産業を含む製造業全体に広げ、各種技術を集めた展示会として初開催した。今回は122社が参加した。
 工場・プラントの環境対策、省エネ化、省人化、高効率化を推進する「省エネ・プラントショー」、水処理技術、サービスの「水イノベーション」、水素の製造、貯蔵、運搬、供給、利用技術を一堂に集めた「水素エネルギーテクノフェア」で構成。特別展示としてプロセス産業の安全、安心、高効率化を推進する「プロセス産業とIoT」を初開催した。

           会場の様子

 富国工業はベルトプレスやデカンター等の脱水機と比べ、高濃度脱水ができるスクリュープレス脱水機を出品。抽出、溶出、固化、精製など様々な工程で使用できるが、食品業界では主に、残さやロスを脱水し、重量を軽くし、産廃処理のコスト削減に使用される。
 研電社は目詰まりをしないスクリーンとして、食品残さ、グリストラップ、工場排水などの、大容量一次処理排水の分離や脱水を行うスリットセーバーを展示、実演した。
 国際興業とイガデンは独自の電気分解技術で、薬品を使わずに水を処理する技術をアピールした。電気アルカリ洗浄水生成装置は飲料水水質基準検査でpH以外の全てが合格する安全性。食品加工の生産ライン、調理器具、燻製室清掃で洗剤に代わる洗浄水として導入され、薬品不使用なので排水処理負荷を大幅に軽減しているという。

       研電社のスリットセイバー

 環境テクノスは純水製造装置を出品した。大型スーパーではご飯を炊く、野菜を洗う、調理水に、と導入している。食品工場では水を大量に使用するので水道代がかさむため、地下水を使用する例が多いが、純水製造装置に地下水を通してから使用する。
 日本環境科学研究所は微生物由来の酵素を活用して、油脂、たん白、でんぷんなどを含む高負荷・高濃度排水の前処理などに威力を発揮する環境浄化システムを出展した。
 薬注ポンプから排水移送用ポンプまで手掛ける日機装エイコーは、排水、汚泥、スラリー液移送を中心とした、日機装ゴーマンラップポンプ(自吸式無閉塞型)、モノフレックスポンプ(ゴムインペラポンプ)、フェルダーフレックスホースポンプ(蠕動運動ポンプ)を出展。モノフレックスポンプは醸造、酪農、ノリ養殖など幅広い用途に対応している。
 MDIは熱交換器のほか、省エネなどを実現するための排熱回収システムを提案した。これまで廃棄されていたうどんの茹で汁を、同社の遠心分離式装置「マルチサイクロン」を通して汚れを除いた後、熱交換器に送るなど、豊富な導入事例を紹介した。
 大和製衡は自動化が困難で、作業スピードや精度・歩留まり、量目不足など課題の多い農産物や水産加工品、惣菜加工品の定量詰め作業の効率化をコンセプトに開発した「PackNAVI」など、各種演算器、はかりをアピールした。

 来年は「プラントショー」、「先端材料展イノベーションプロダクツ」、「水イノベーション」、「プロセス産業とIoT」で構成する「INCHEM TOKYO2017」を11月20〜22日に開催する。