主力のワイヤーベルトを訴求、エッジの改良でトラブル軽減など

 ケイズベルテックはワイヤーベルトの専門メーカーとして、その強みである耐久性、耐熱性、洗浄性などを前面に押し出して提案する。前後装置との干渉によるベルトの変形を軽減したタイプなどを紹介する。

ケイズ SCカールエッジ

 「従来タイプのベルトのエッジ処理は開発当初から変わることなく現在に至っている。しかし従来型はエッジの負傷、他コンベアとの干渉や引っかかりなどが生じるため、稼働時は様々な注意を必要としていた」(里薗勝成社長)。そこでエッジ部に独自技術を施した。
 開発した“ケイズ SCカールエッジ”はエッジ部での手の負傷や手袋などへの切り損を軽減。ベルトの張り替え作業時の引っかかりを軽減し、作業者の安全性を高めた。
 また、前後装置との干渉によるベルトの変形を軽減し、ベルト同士の引っかかりによる損傷も軽減できる。正逆運転時のトラブルを解消できるので、生産ラインの安心と信頼性の向上につながる。

ケイズ Kエッジ

 ワイヤーカーブベルトの外周エッジを長寿命化させた“ケイズ Kエッジ”は耐久性を高くし、独自の形状を採用したため、エッジ脱落による異物混入のリスクを軽減した。
 生産ラインに欠かせないカーブコンベアラインは、チョコネットのカーブコンベアの先端渡りローラーの部分でコンベア間の製品乗り移りを重視しているため、ストレートローラーを採用しているケースが多い。しかし、コンベアの速度や搬送重量、作業環境によってはネットベルトの外周エッジの折損がユーザーから報告されることが多かったという。
 折損したエッジが見当たらなく、大人数で探さなくてはならないユーザーもあるが、“Kエッジ”は独自の構造のため、万が一外周エッジが折損した場合でも従来品のように落下することがなく、発見することも容易になった。

 「ベルトの変形は避けて通れるものではないと思っていた。エッジの切断部が簡単に触れられる構造だと、ラインスタッフの手の負傷や手袋の損傷などもあったが、それを解消できるならば」と期待を込めた冷食メーカーなどがすでに導入を始めている。被災地で再建を進めている宮城県の食品加工メーカーも導入した。「私たちはユーザーがワイヤーベルトに抱いている不安や懸念材料を聞き出し、それを払拭する改良を重ねていく。FOOMAは全国の多くのユーザーと触れ合える絶好の機会。情報交流を深めたい」(里薗勝成社長)としている。

従来型のエッジ(左)から新しいタイプに変更した(右)
エッジ部の手の負傷や手袋の折損を軽減し、前後装置との干渉によるベルトの変形を軽減する