新卸売業態、新流通制度を提唱
生鮮食品の流通・加工業を対象にコンサルタントをしている�螢轡好灰爐龍蘯ＣＭ瑳卍垢賄堝發燃�かれた「生鮮流通フォーラム」（パーソナル情報システム主催、28日）で「卸売り市場から見た量販店向け戦略」と題し講演した。その中で金治氏は新卸売業態、新流通制度を「ニューミドル」と提唱、「今後、量販店や外食が市場外仕入れを強化するためには、新中間業者と特定多数間取引の制度化が必要」と説明した。
金治達雄社長
大手顧客の産直志向、生産者の直販願望がますます強くなっているため、地元市場よりも、基幹市場へ集中、市場外流通の加速、収益構造の悪化という生鮮卸の現状を指摘。「卸売市場への期待は下がり続けている」という。
近年、成長を続けている北東北の量販店を事例に挙げ「力のある量販店は調達改革をする」と説明した。地元市場ではなく、高品質の商品が集まる基幹市場に足を伸ばして仕入れし、売れる品揃えを重点的に強化している。「地方にも高所得者はたくさんいる。良い品物は高くても買う。伸びているところは彼らをターゲットにしている」と成長の背景を分析した。生産者から直買いすることは鮮度が高く、履歴も安心できる。
既存市場の問題点
こうした量販店の市場外仕入れにより、既存市場にいくつか問題点が浮き彫りになってきたという。�＼源瑳圈焚掲箒伴圈砲任話楼茱法璽困鬟�バーできない、��地域量販店では青果、水産とも生産者との間に５〜６者が入っており、取引コストが基幹市場仕入れより10％高い、��生産者から直接調達して自社管理したほうが鮮度が良くなる、�ぞ�売は必要以上の選別をする（規格外が入らない）、�ゾ�売は不必要な段ボールなどを多用する（特に青果）、�Σ然雰狙�が量販店に不利な制度になっている、�Щ埔賣�通品は生産流通履歴が不透明なものが多い――とし、価格形成に関する必要以上の拘りが時代ニーズに合わなくなっていると指摘した。
ニューミドル
では今後、量販店や外食が市場外仕入れを強化する際、起こりうる問題点は何か。金治氏は生産者からの直買いが望まれながらも「情報ネットワークが限定されているため、３カ月程度で移動する産地を自ら追うのは無理。仕入れ先との信頼性確保にも苦戦する」と挙げた。また、安く仕入れることができてもスポットでは物流費が高くつくことも指摘した。
生鮮電子取引所のような大口向けの取引制度や共同仕入れの物流体制、決済機構が課題となる。その解決策として「新中間業者と特定多数間取引の制度化が必要で、それらを『ニューミドル』と位置づける」と説明した。
これは卸売市場制度と相互に融通が利く機能を持ち、生産者から大型の流通商品を受け、大型の顧客となる小売・外食には１カ所納品を担う制度。卸売市場が地場商品・相場商品を中小口の顧客に複数カ所納品しているのに呼応している。ＩＴと物流技術が発達して成立するもので、「ロジスティクス」を強く意識している。現在は東京のワタリや長野県のマルイチ産商がこの役割をカバーしているという。「ニューミドルを満たすのは卸売市場関係者が先に進化するか、あるいは新規参入者が先か、マルイチ産商の今後の動向に目が離せない」とまとめた。