IT活用し厨房オペレーション改革

商品ごとに天ぷら食材の組み合わせや数、盛り
付け方法をイラストで示す厨房のディスプレイ

 天丼てんやを展開するロイヤルホールディングスグループ企業のテンコーポレーションは、IT活用により接客や厨房オペレーションを改革したチャレンジ店舗「大江戸てんや 浅草雷門店」を2日、都内にオープンした。
 チャレンジ店舗「大江戸てんや 浅草雷門店」の調理システムはオートフライヤー(=天ぷら自動揚げ機械、製造能力毎時1300ピース)を軸とする点は従来型と同じだが、厨房3カ所にディスプレイを設置し、画面には商品名ではなく、商品ごとに必要な天ぷら食材の組み合わせや数、盛り付け方法をイラストで示すことなどにより「シニアや外国人など、多様な人材が働きやすい環境をつくる。天ぷらの品質向上にもつなげる」(同社)。

支払い方法を完全キャッシュレス化

    支払いは完全キャッシュレス

 来店客に訪日外国人が多いことに対応し、注文用の端末表示は英語、中国語、韓国語、日本語のいずれかを選択できるようにした。店内タブレット端末で入店客自身が注文し、会計も客自身が行う。現金以外の決済の要望を想定し、支払い方法をクレジットや電子マネー、中国モバイル決済(アリペイ、ウィーチャットペイ)が選べる完全キャッシュレス化とした。
 メニューはえびの天ぷらを中心とした松・竹・梅の3種類の天丼と、野菜天丼を中心に、そば・うどんのセット、定食スタイルも提供する。またテイクアウト用に串天スタイルの天ぷらメニューも用意した。
 天丼の松は具がえび5本、かぼちゃ、おくらで1180円、松がえび2本、穴子、いか、かぼちゃ、おくらで980円、梅がえび2本、いか、かぼちゃ、おくらで750円。野菜天丼800円。串天はすり身200円、えび・いか300円、ハムステーキ250円。

グループ全体でイノベーションを推進

 ロイヤルホールディングスはグループ全体の業務効率化とIT、ロボティクス導入などイノベーションを継続的に進め、従業員と顧客それぞれの満足度向上につなげることをめざしている。昨年11月にオープンした完全キャッシュレスやキッチンオペレーション改革を研究開発する店舗「GATHERING TABLE PANTRY馬喰町店」(東京)の運営や、食器洗浄工程ロボットの実証実験など、次世代の店舗づくりをめざす取り組みを進めている。
 研究開発成果を既存事業に拡張的に展開し、今回、チャレンジ店舗「大江戸てんや」をオープンした。

   オペレーション等を改革した新店舗「大江戸てんや 浅草雷門店」の厨房