日本政策金融公庫（日本公庫）農林水産事業が７月に実施した「食品表示に関する動向調査」（2018年度上半期消費者動向調査）によると、食品表示を確認する際に消費者が最も重視しているのは「原産国名、原料原産地」だった。食品表示への要望は「文字を見やすくしてほしい」が最多、次いで「分かりやすい言葉を使ってほしい」となった。
ＢＳＥ感染牛の発見、中国産野菜の残留農薬問題などで、食品安全への関心が高まっていた2002年７月に実施した調査と比べ、食品表示を確認する頻度は減少しており「ほとんど確認していない」という回答が大きく増加した。
食品表示を確認しているかを聞いたところ、「必ず確認している」（20.7％）」が2002年と比べ12.9ポイント低下したが、「ほとんど確認していない（15.7％）」は12.2ポイント上昇した。
加工食品の表示で重視する項目は、�仝胸差駝勝�原料原産地�⊂暖餞�限又は賞味期限�８矯猯遡勝宗修僚腓蚤燭�った。特に「原産国名、原料原産地」は６割以上、「消費期限又は賞味期限」は５割前後が選んだ。
男女別で見ると「添加物」の項目で最も男女差が大きく、女性が男性を5.8ポイント上回っている。一方で「内容量」「栄養成分」は男性が女性を上回っている。
食品表示への要望では、�（源�を見やすくしてほしい（47.7％）�∧�かりやすい言葉を使ってほしい（40.9％）��商品の表側にも表示してほしい（18.6％）――の順で多く、見やすさ・分かりやすさを求めていることがうかがえた。「特殊な用語や認証マークの意味を説明してほしい」との回答は2002年の半分以下に低下している。
また「表示項目を増やし、内容を充実させてほしい」（14.6％）との回答が2002年より2.2ポイント上昇した一方、相反する「表示項目を減らしてほしい（5.8％）」の回答も4.2ポイント上昇。食品業者には、見やすさ、分かりやすさを追求しながら、消費者が求める食品表示の工夫が求められそうだ。
食品表示の信頼性について聞いたところ、最近は信頼が高くなった、以前から信頼が高いとの回答は、生鮮食品で44.4％、加工食品で40.9％。これに対し、最近は信頼が低くなった、以前から信頼が低いとの回答は、生鮮食品で10.6％、加工食品で12.3％にとどまった。
調査方法はインターネットによるアンケート調査。対象は全国の20〜70歳代の男女2000人（男女各1000人）。2002年は調査票の郵送によるもので、男女773人（男性306人、女性467人）。また、2001年９月に国内初のＢＳＥ感染牛の発見、12月に中国産野菜の残留農薬の問題が発生するなど、食品安全、食品表示に関して関心が集まっていた時期でもある。