業務用商品の荷役効率アップが課題
日水物流 常務執行役員 東北エリア統括所長 前田昌秀氏

 日水物流の前田昌秀常務執行役員は東北エリア統括所長を担っている。担当拠点では、効率的荷役が難しい業務用貨物の寄託が大半を占める。効率的運用が可能な市販用貨物と荷役料は同水準。そのため「作業の効率アップが永続的な課題」と語る。

      前田常務

 ――東北エリアの営業倉庫・センターは仙台に集中している。
 前田 製品の保管・物流拠点は仙台に持ち、東北6県に配送しているという企業が大半です。当社は市内に2つの拠点があり、業務用冷凍食品を中心に保管し、東北エリアへ商品供給する役割を果たしています。

 ――担当拠点のひとつ、仙台扇町物流センターの貨物構成比は。
 前田 業務用冷凍食品が六割、水産原料系が四割の貨物構成比で、市販用冷凍食品の寄託は一部のみです。

 ――業務用商品の寄託が多い理由は。
 前田 家庭用商品の保管・物流は効率化が進み、地方では大手問屋や小売業がそれぞれ持つセンターに大半の荷が集まっています。それ以外の営業倉庫・センターは、アイテムが多いうえ、ロットの細かい業務用商品が寄託品の大半を占めるのが必然的な結果です。

 ――寄託品は効率運用が難しそう。
 前田 片手間ではできません。最近はさらに商品の小口化が進み、出荷単位だけでなく、入荷単位も細かくなっています。配送も、東北エリアは人口密度が低い地域もあるため、効率が悪いところがあります。当社センターでは業務用卸グループの共同配送を請負い、物流効率の改善を担う役割も果たしています。

 ――センターの収益は良好?
 前田 月2〜3回転する市販用貨物に比べ、業務用は1回転未満。しかも業務用は小ロットで人件費もかかります。どう効率アップを図るかが永続的な課題です。

(まえだ・まさひで)日本水産に1970年(昭和45年)入社。貿易部勤務が長く、北米(シアトル)に長期駐在。85年に国内勤務に戻り、営業部で業務用冷凍食品を担当。本社、福岡勤務を経て、海外事業の担当に。91年から再び北米駐在。2000年に帰国し物流を担当。子会社の東部冷蔵食品(現日水物流)に出向。東京の大井物流センター長を経て7年前から現職。1946年(昭和21年)10月生まれ、63歳。青森県弘前市出身。東北大農学部卒。