アグリテック、厨房機メーカーが六次産業化を後押し

 野菜や果樹向けの農業資材、設備の専門展「アグリテック」が千葉県の幕張メッセで9〜11日開催された。六次産業化向けの専門エリアは昨年よりもゾーンを拡大、厨房機器メーカーの出展が目立った。IH調理器や製菓機械などを出品し、生産者による“加工”を後押しする提案を行った。

4種類のジェラート

 数ある食品機器メーカーの中でも、六次産業化を進める生産者にいち早く働きかけているエフ・エム・アイ。主力のジェラートマシンや、アイスクリーム製造室の設計ノウハウで生産者の後押しに乗り出している。
 ホテル・レストランショーなど外食向けの展示会出展を活かし、農業生産者向けの展示会も昨年から本格化させた。今回は焼いも、森の木の実、トマト&バジル、りんごのミルク入りなど4種類のジェラートを用意し、ロボクープジューサーで加工したニンジンジュースの試飲を提供した。

ジェラートの試食には行列ができていた

真空包装機の説明を熱心に聞く来場者、
生産者の来場がほとんどなのが同展の特徴

 ニチワ電機は新調理システムによる加工技術を紹介した。特に、「クックチル」や「真空調理」は集中大量調理、保存が可能で、調理現場の閑忙の波をフラットにできる。「一次産業者は生産のプロだが、加工となるとわからないことが多い。計数管理が特徴の新調理システムから入れば、加工もわかりやすい。六次産業化をめざす生産者にこそ、利用してもらいたいシステム」(同社)という。
 同社と共同開発しているHENKELMAN社(オランダ)の真空包装機を出品した。短時間で味が良く染み込み、歩留まりも良い真空調理法を生産者に披露。袋詰め調理することで配達や保管に向いており、2次汚染の防止にも役立ち、食品加工と保存にも適していることを訴求した。

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2013年10月16日号掲載