明治はOLL1073R−1株で発酵したヨーグルトが、抗インフルエンザ薬による免疫低下の副反応を回復させることを確認した。
徳島大学先端酵素学研究所の木戸博特任教授らと共同研究した。
マウスにOLL1073R−1株で発酵したヨーグルトを摂取させた後、インフルエンザウイルスを経鼻感染させ、その後、抗インフルエンザ薬のオセルタミビルを経口投与した。ヨーグルトは感染21日前から1日当たり0.4mℓ、オセルタミビルは感染後から1日2回、10mg/kgの経口投与を開始し、感染14日目に各種の評価を行った。
オセルタミビルだけ投与した場合、インフルエンザウイルスに特異的なIgA抗体が肺洗浄液で、IgG抗体が血液中で、それぞれ有意に減少した。
一方、オセルタミビルとヨーグルトを摂取したマウスでは、オセルタミビルによる抗体の減少が抑制された。
OLL1073R−1株で発酵したヨーグルトの摂取は、抗インフルエンザ薬の投与によるインフルエンザウイルスに特異的な抗体の産生低下を抑制したことから、インフルエンザ感染に対する免疫応答の増強に働くことが示唆された。
オセルタミビルはインフルエンザウイルスに感染した細胞からウイルスが他の細胞に感染する際に必要な酵素の働きを阻害して、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する抗インフルエンザ薬。
抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑制して高い治療効果を発揮するが、ウイルス量の低下に伴って特異的な抗ウイルス抗体の産生量が体内で減少し、翌年インフルエンザに再感染するリスクが高まる可能性が報告されている。
この研究成果は9月25〜27日に開催された第89回日本生化学会大会で発表した。