【年頭所感】
食品業界の自動化・省人化に貢献を
日本食品機械工業会 海内栄一会長

    海内会長

 我が国食品機械の昨年の販売額は、機種によって異なるものの、全体では前年を若干上回る見込みだが、今後の企業経営に関しては多くの会員が厳しい見解を持っている。
 食品業界では、食品の安全性の担保、深刻化する人手不足、低価格化、多様化する消費者ニーズ、環境対策、少子高齢化に伴う国内市場の縮小など、どれをとっても重大な課題を抱えている。
 我々食品機械業界を取り巻く環境をみると、昨年6月に食品衛生法が改正され、HACCPの義務化、ポジティブリスト制の導入など、これまで以上に食の安全性が厳しく追及される時代になった。
 また、食品業界においても人手不足の打開策の一つとして、食品製造現場の自動化・省人化が火急の課題となっている。近年、ロボットの食品産業への導入、IoT技術の援用などの言葉を耳にする、食品機械は元々自動化技術のノウハウのかたまりであり、ユーザー業界の課題解決に大きく貢献できるものと確信している。
 この困難な状況も食品機械が解決すべき重要な課題と位置づけ、業界のさらなる発展の契機として、ユーザーニーズに応えられるような提案を行っていきたいと考える。
 当工業会では、食品機械の安全・衛生化の推進、国際化への対応、人材の育成などに積極的に取り組み、ユーザー業界の期待に応えていく。
 今年は7月9日から4日間「食の技術のニッポン力(りょく)」のキャッチフレーズのもと「FOOMA JAPAN 2019」を開催する。2019年、2020年は東京オリンピック・パラリンピックの準備および開催のため、FOOMA JAPANは従来の東京ビッグサイト東展示棟から会場を変更して実施する。
 42回目を迎えるFOOMA JAPAN 2019は、東京ビッグサイト西展示棟1〜4ホールおよび新設の南展示棟1〜4ホールを使用して開催する。「食の安全・安心」を中心課題としつつ、生産性向上や高効率化のための技術、自動化、省人化を図るロボット技術など最先端のテクノロジーと最新鋭の製品やシステムの展示を通じて、日本経済活性化の一助になればと考えている。
 当工業会は業界一丸となって、引き続き食品機械工業の発展と食品製造の効率化を目指し、食品製造業の皆様と共に国民の食生活の安定的向上のため全力で職責を全うする。