「新・安心品質」の全面広告でＷ受賞
味の素冷食、消費者視点に高評価、業界イメージアップにも
味の素冷凍食品は天洋食品事件を機に、同社の「新・安心品質」の取り組みを紹介し理解を広げるため新聞の全面広告を昨年６月から今年６月まで５シリーズで計10回掲載したが、この広告活動で２つの広告賞をＷ受賞した。
(社)日本新聞協会が主催する第29回新聞広告賞では「優秀賞（広告主企画部門）」、(社)日本アドバタイザーズ協会の「消費者のためになった広告コンクール」では「新聞広告部門Ｂブロック（飲食料品）」の金賞となった。
味の素冷食は主力商品の「ギョーザ」が国内生産品であるにもかかわらず“中国”“冷凍”“餃子”の３点セットでバッシングの飛び火被害を受け、売上げが急降下した。そこで取り組んでいる実情、実態と中国産でも安心安全である根拠などを全面広告で訴え続け、業績を回復させた。その取り組み姿勢と結果は、冷凍食品業界に限らず、食品の多くの関係者に注目されている。
新聞協会の新聞広告賞では消費者の側に立った広告として高い注目を得るとともに、企業や業界の信頼、イメージアップに大きく貢献した点が評価された。「消費者の疑問や不安に誠実に応え、これを解消するため、原料、製法の情報を徹底的に公開」。また「主婦がじっくりと情報を読み込めるように、休日に合わせて出稿し、調理シーンのビジュアルにその時感じる疑問をキャッチコピーとして重ね、消費者の不安を払拭するよう配慮を重ねた」と評価を集めた。
新聞広告賞を主催する日本新聞協会には新聞社109社、通信社４社、放送24社が加盟している。授賞式が20日都内で行なわれ、同社の山崎丘・執行役員企画・開発部長が表彰状を受けた。�々�告主企画部門と�⊃景梗甸覯萇�門の２つがあり、味の素冷食は広告主企画部門で受賞した。
日本新聞協会の表彰式で味の素冷食が受賞（写真は山崎部長）
「消費者のためになった広告コンクール」では消費者の冷凍食品に対する不安を払拭し同社の取り組みに理解を得た点と、取り組みを具体的にていねいに説明した点が評価された。
テレビ広告だけでは説明し切れない「安心安全」価値について、事実に基づいた情報を理性的に紙媒体で訴求することにより、消費者の冷凍食品に対する「疑問、不安、不信感」を払拭し、味の素冷食の「安心安全」の取り組みの理解を得た。
おいしそうな料理写真と消費者目線のメインコピー「どんなところで育てているのかしら？」などのアピールで関心を集め、生産工程や「安心安全」の具体的な取り組みをていねいに説明した点が評価を高めた。
「消費者のため」コンクールは11月19日に表彰式を行なう。同賞は審査員に広告関係者が加わらず、消費者視点で審査しているのが大きな特徴。