新配送センターを秋開設、６拠点体制に
プレコフーズ 代表取締役社長 高波幸夫氏
首都圏の飲食店約１万8500店舗に生鮮３品や冷凍食品などを卸売りするプレコフーズは、ＩＳＯ9001とＨＡＣＣＰ認証を取得している配送センター兼食肉工場を都内に５カ所構えているが、今年中に６カ所目を新設予定という。その狙いなどを高波幸夫社長に聞いた。
――顧客は東京・首都圏の個店外食１万8500店におよぶ。しかも正社員で対応している。
高波 はい。物流も正社員が担当しています。商品についてきちんと説明し、安全・安心を確保しながら商品を届けるには、正社員による対応が不可欠と考えています。現在、本社と５カ所の配送センター兼食肉工場や系列会社で正社員560名、パート従業員120名が働いています。
――最新の北東京配送センターの開設から約３年が経過したが。
高波 2016年秋頃をめどに、６番目となる配送センター兼食肉工場を東京新木場に開設予定です。600坪（延床）を確保し、当社最大規模の拠点とします。ここに大口ユーザーの受託業務を集約し、24時間フル稼働で対応します。新センターを存分に生かせば、年間約80億円の売上げは上乗せできる計算です。車両も増車します。
――既存拠点の中で最大規模は？
高波 西東京配送センターの事業対応能力がマックス30億円です。ですから新木場の新センターは既存拠点の２倍強の能力を有することになります。新拠点への投資額は約８億円です。正社員の募集をさっそく開始します。人材育成も強化します。今から準備を始めなければ、事業成長に追いつかず、既存拠点でキャパオーバーとなる恐れがあります。
――今３月期の業績見通しは。
高波 連結売上高16％増148億円、プレコフーズ単体で売上高９％増120億円です。利益も今期は過去最高益を達成の見込みです。増益要因には、顧客が増えて配送効率が良くなっていることなどが挙げられます。車両１台あたりの月商は約600万円です。
――連結売上げの伸び率が単体を上回っている。
高波 Ｍ＆Ａ効果もあります。2014年に築地の鮮魚仲卸「嘉徳」を傘下に収め、�螢廛譽灰┘侫罐縫奪箸鮴瀘�しました。生鮮野菜はプレコフーズのベジタブル事業部で手掛けています。またサニタリー事業部の業績拡大に伴って�螢廛譽灰汽縫�を立ち上げ、さらには�螢廛譽灰瀬ぅ縫鵐哀薀椶鮴瀘�しています。これら３社を系列法人化しました。将来的には外食店のコンサルタントも手掛けるため、ビジネスサポート事業も傘下で展開したいと考えています。
――外食店も経営している。
高波 銀座と西麻布に店を構えています。おかげさまで銀座の店舗はミシュランにも掲載されました。当社は卸売が事業の中核ですが、顧客である外食ユーザーを理解するためにも、当社自体が外食店を経営していく方針です。本格的なテストキッチンも昨年、東京都目黒区に開設しました。ここでレシピ開発など行い、当社の外食店に提供し、評価の高い食材・メニューは卸売事業で顧客に提案していきます。食材調達から加工、物流、レシピ開発、外食店の経営まで、当社は“多層階”で攻めていきます。
――展開エリアに対する考えは。
高波 東京・首都圏よりいま以上に広げることは考えていません。その代わり“多層階”で攻めていきます。東京の個店外食市場で当社シェアは17〜18％ですが、30％まで高めていきます。商品は生鮮３品から加工食品まで扱っていますが、今後さらに、乾物も充実させたいと考えています。将来的には生鮮３品で年商600億円、それ以外で100億円は扱っていきます。