新製品のブラストチラー、自然冷媒を採用
急速冷却から再加熱まで1台4役

 業務用調理機器を輸入・製造販売するエフ・エム・アイ(東京都港区、松野敦社長)は伊イリノックス社製のブラストチラー・ショックフリーザー「MultiFresh(マルチフレッシュ)」の新製品「マルチフレッシュ ネクスト」を2023年3月発売する。このほど都内で開催された「FOOD展2022」に実機を参考出品し、前日に調理しておいた朝食の再加熱を実演した。

 「マルチフレッシュ」は加熱機能を備えた世界でただ1つの冷凍冷却機として知られ、急速冷凍・急速冷却から解凍、真空調理、加熱まで1台でこなす。−40℃〜85℃まで1℃単位でコントロールできるのが大きな特長。

大量調理現場の省力化に貢献する新製品「マルチフレッシュ ネクスト」、操作性の高い大型
タッチパネルを採用したほか、稼働状況を緑色の光(左)で知らせる新機能を搭載した

 新製品は冷媒にノンフロンのR290(プロパンガス)を採用した。GWP(温暖化係数)は3と従来のR404A(GWP=3922)に比べて環境負荷を大幅に低減する。冷却能力も20%アップした。

 「マルチフレッシュ」は外食店をはじめ、病院・介護施設などに導入されているが、大量調理現場の作業負担をさらに減らすため、今回新たに大型機をラインナップに加えた。

 ホテルパン(1/1)が9枚と、18枚収納できる2機種を揃えた。大型機はファン1枚ごとに冷却ユニットを配置したことで、冷却サイクルの均一性が向上。最適な冷却を実現する。

85℃で再加熱、ご飯のもちもち感を再現

 病院や介護施設では慢性的な人手不足で朝食提供の作業負担が増している。「マルチフレッシュ」を使って前日の深夜からセットしておけば早朝の作業人員を減らすことができる。

 展示会場では前日に調理して芯温3℃まで急速冷却し、保冷しておいたご飯とオムレツ、蒸し野菜を再加熱して来場者に振る舞った。加熱温度は最大85℃。皿盛りのまま約2時間かけてじっくり加熱した。

 一般的な加熱カートではご飯がパサパサすることもあるが、「マルチフレッシュ」で再熱したご飯は食べてみると、もちもちとした食感を再現していた。オムレツはふわりとして、蒸し野菜には変色が見られない。食材へのダメージが少ないことがわかる。

「マルチフレッシュ ネクスト」の大容量タイプ、冷却サイクルの均一性を高めた。収容能力
は1/1のホテルパン9〜18枚

 担当者は「急速冷却、保冷、再加熱、保温の4つの機能がこれ1台で可能になる。人手不足の悩み解決に貢献できる」と語った。

 エフ・エム・アイは「マルチフレッシュ ネクスト」を使った「人手不足お悩み解決セミナー」を東京本社ショールームで27〜28日午後1時30分〜4時開催する。同社の毛利伸子管理栄養士が講師を務め、調理実演も行う。無料(先着20名)。下記URLから申し込める。
 https://www.fmi.co.jp/seminar-exhibition/