食品容器メーカー最大手のエフピコ(広島県福山市、安田和之社長)はグループ会社の社員の給与水準を2023年4月から平均10.7%引き上げると発表した。初任給も引き上げる。
人手不足や物価高騰を背景に企業の賃上げ発表が相次いでいるが、平均で10%を超える引き上げ幅は際立つ。生産工場と物流センターで働く社員の待遇改善を図ることで、優秀な人材確保と定着をねらう。
対象はグループの製造会社14社(1720人)と物流会社4社(552人)。製造会社で平均11.41%増加、物流会社で平均8.78%増加となる。いずれもベースアップと定期昇給、地域手当、賞与(見込み)を含む。
初任給は製造会社で大学・高校卒ともに2万3000円、物流会社で大卒1万7000円(高卒1万8000円)引き上げる。
給与水準の改定と併せて休日日数の増加や連続3日間の有給休暇の取得徹底を図る。自動化設備の導入や空調機器の設置など働きやすい職場環境づくりに向けた投資も実行する。
東京商工リサーチが行った「賃上げに関するアンケート調査」によれば、23年度に賃上げを予定している企業は80.6%とコロナ前の水準に戻った。賃上げ率は「4%未満」が最多で29.9%だった。