最古参の拳母工場を閉鎖、雇用確保に努める

 キユーピーは愛知県豊田市にある拳母(ころも)工場の生産活動を2023年度中に終了すると発表した。生産する調味料は泉佐野工場(大阪府泉佐野市)や神戸工場(神戸市)などへ移管し、タマゴ素材品はグループの生産拠点で生産する。

 拳母工場は1958年設立で、現存する同社工場の中ではもっとも古い。そのため老朽化が進み、維持コストの面で課題があったという。そこで拳母工場で製造する調味料のうち、生産効率が求められるマヨネーズ、ドレッシングは神戸工場と五霞工場(茨城県五霞町)、多品種少量生産の商品は泉佐野工場と中河原工場(東京都府中市)に移管する。

 液卵やゆで卵などのタマゴ素材品については各工場エリアにあるグループの生産拠点に移し、生産効率を高める。

 すべての生産移管は2023年度中に完了し、拳母工場は閉鎖する。従業員はグループ拠点への異動を含め、雇用確保に努めるとしている。工場跡地は有効活用を検討する。キユーピーの国内工場は6カ所になる。

 キユーピーはコロナ禍の影響を受けて新たな中期経営計画(2021〜2024年)を今年策定した。経営テーマとして「持続的成長を実現する体質への転換」を掲げ、事業・カテゴリーの選択と集中と併せて生産拠点の全体最適化を進める。今回の拳母工場の閉鎖はその一環で、コロナ禍のようなパンデミックが今後起きても揺るがない企業体質を作り上げるとしている。