外食インカレ、山形大「夜の給食」が金賞
大学生・大学院生が外食ビジネスアイデアを競い合う「第２回『外食インカレ2019』」は山形大学の３年生の加藤陽理、伊藤玲奈、熊谷穣の３氏が提案した「夜の給食」が金賞を受賞した。最終審査会を11月30日都内で開き決定した。主催は日本フードサービス協会、日本フードサービス学会、後援は農水省、経産省。全国の大学から128件の企画提案があり、２回に渡る審査を経て、最終審査に進んだ大学生６グループがプレゼンテーションを行った。
金賞に輝いた「夜の給食」は、外食産業が夜に給食を提供することで食育と学習支援を行うアイデア。提案者の山形大学グループは「従来の学童保育は預かる時間が短い、食事を提供できない、子ども食堂は開催頻度が少ない、ボランティアのため継続力に不安といった課題がある。子ども食堂急増の陰に、大人の都合で休止もある」と指摘の上、「外食産業が学童保育を導入することで課題を解決できる」とした。
夜の給食で「学童保育市場を外食で創出」
外食産業が夜の給食を提供すると「子供の孤食が減り、バランスのとれた食事が摂れ、共働き世帯の支援にもなる。外食産業にとっては学童保育市場を創出できる。社会貢献による企業、ひいては外食産業のイメージ向上にもつながる」と説明した。
具体的なスキームとして�ヽ或�店が近隣校に「夜の給食」を周知�⇒�用者はホームページで会員登録し、氏名・学年やアレルギーの有無などを記す�３或�店は登録者に会員カードを配布�せ匐，詫菘校�に会員カードを持参し、支払いは定額制で別途行う――と示した。
銀賞は中京大３年生の「訪日外国人向け『あの味』ガチャ」、銅賞は神奈川大３年生の「スマホゲームでホワイト産業に」、奨励賞（３組）は中京大、文教大、日大２年生の作品を選んだ。金賞30万円、銀賞20万円、銅賞10万円、奨励賞ジェフグルメカード５万円分を贈った。
農水省新藤外食産業室長「粒ぞろいの提案」
表彰式で日本フードサービス協会（ＪＦ）の高岡慎一郎会長は「いずれの提案も実現性が高く勉強になった」と評した。
農水省食料産業局の新藤光明外食産業室長は「粒ぞろいの提案でわくわくした」と語った。経産省商務・サービスグループの鶴悠太朗サービス政策課課長補佐は「着眼点、プレゼン力などに感動した。ぜひ実現してほしい」と期待を示した。
審査委員は高岡会長、秋元巳智雄ワンダーテーブル社長、根岸榮治ねぎしフードサービス社長、谷澤公彦タニザワフーズ社長。
審査委員の高岡ＪＦ会長（左端）と金賞を受賞した山形大３年生３名