環境衛生管理のプロ集団、石綿対策もフルサポート
赤門ウイレックス�蝓‖緝充萃�役社長 山田晃也氏
山田社長
食品工場を微生物汚染や異物混入から防御する環境衛生管理のプロ、赤門ウイレックス（名古屋市）は長年のキャリアと実効性の高い技術力で信頼を勝ち得ているが、近年はアスベスト（石綿）対策でも食品事業者から多くの相談が寄せられている。背景には国によるアスベスト対策の規制強化がある。山田社長は「規制内容を知らないでいると大きな問題に発展しかねない」と警鐘を鳴らす。
――環境衛生管理の事業領域が幅広い。
山田 空調・換気設備や局所排気、給水・排水管のメンテナンスからペストコントロール、アスベスト対策、微生物検査・測定まで手がけており、より良い衛生環境づくり、作業の安全性、快適性の向上という視点で環境衛生の改善、管理をサポートしています。契約先は食品、医薬品、自動車、建築設備など全国約950社に広がっています。
――この分野では先駆者だ。
山田 祖業は約80年前に始めた医薬品の卸売りです。医療施設に医薬品を販売する中で防疫用の殺虫剤、消毒剤を販売してきましたが、その後、病院内の害虫防除や殺菌作業も依頼されるようになりました。
害虫防除は薬剤を散布した直後に効果がありますが、時間の経過とともに害虫が再び発生してしまう。そこで、なぜ発生するのか、どうすれば根本的に解決できるのかというディテクト（探知）を経て、建築設備に原因があると結論付けました。
――どういうこと？
山田 建物が虫の侵入を許さない設計になっていなかったり、設備のメンテナンスがきちんと行われていなかったりする。根本的な解決はここを改善する必要があります。環境衛生の問題点を科学的根拠に基づいて解決へと導くために、様々な改善メニューを提案するようになりました。
食品工場の衛生改善は40年以上
――食品工場の衛生改善も得意としている。
山田 医療施設向けの環境衛生対策は食品工場と親和性が高いことから、食品製造分野にもフィールドを広げて防虫、防カビ、異物混入対策などをサポートしてきました。キャリアは40年以上になります。
――会社の強みはどこにある？
山田 お客様の製造工程を熟知していることです。我々は常に勉強しており、食品製造業が何をどのように作っているのかを把握しています。施工に際してはお客様にヒアリングし、調査、分析を徹底して行います。
我々は害虫や微生物などに対する知見と防御のノウハウをバックグラウンドとして持っており、科学的見地から改善プランを提案し、実行に移します。
――食品製造分野の需要動向は？
山田 食品事業者の異物混入に対する意識は年々高まっており、需要は底堅いです。
事業者の多くは製造設備や排気ダクトの清掃など防虫対策のためのサニテーションが必要とわかっていても、具体的に何を行えばいいのか、どこに頼めばいいのかがわかりません。当社はワンストップで対応できるため相談件数は増えています。
それと最近はアスベスト対策の問い合わせも増えています。
国がアスベスト対策の規制を強化
――食品工場でもアスベスト対策が必要？
山田 アスベストは耐熱性、耐火性、耐腐食性、遮音性に優れており、配管やパッキン、断熱材などの建材に多く使われてきました。2006年に輸入、製造、使用が禁止されましたが、それ以前に着工した建物だけでなく、製造した空調設備やオーブンなどにも使われている場合があります。
――アスベストは危険なのでは？
山田 設備の耐火被覆材や機械の断熱材にアスベストが含まれていたとしても、コンクリートや鉄板などで覆われているため、特に何もしなければ危険はありません。
工場を改修したり、設備や機械を解体したりする場合はアスベストが飛散し、健康被害を引き起こすおそれがあります。
国は「石綿障害予防規則」を2020年に改正し、建築物や設備の解体、改修工事においては、工事の発注者にアスベストの有無の事前調査を行う義務を課し、規制を強化しました。施工業者はアスベストの含有の有無を国に報告する義務があります。
――食品工場にも老朽化した設備や機械を使っているところはある。
山田 実は事前調査の引き合いが非常に増えています。当社は有資格者による事前調査から調査結果の国への報告、各種届出、除去工事、作業記録の作成・保管まで請け負い、適切に処置します。食品工場の改修工事では強力にサポートできると自負しております。
――将来改修の計画があるならアスベストの有無を今から行うべき？
山田 そうです。まずは建物や設備のどこにアスベストが使われているかを把握する必要があります。アスベストの全面禁止は2006年９月以降です。それ以前の建物や設備は調べたほうがいいでしょう。
工場の管理者や工事発注者が義務化を知らずに工事を依頼して、作業員を危険にさらすと大きな問題に発展しかねません。当社は法規制の改正内容を含めて周知活動の強化にも取り組んでいます。