野球用のノウハウを活かし、足甲プロテクター開発

 スポーツ用品メーカー大手のミズノは製造業や運送業などの倉庫で荷物を運搬する作業者向けに「足甲プロテクター」を開発した。運搬用リフトや大型台車による巻き込み、重量物の落下から足甲部をガードする。作業用ではミズノ初の製品。全国の作業用品専門店やホームセンター、公式オンラインショップで20日から発売する。販売目標は3000セット。

 厚生労働省が発表した2020年の労働災害発生状況によると、「はさまれ・巻き込まれ」と「飛来・落下」による事故の合計件数は全体の15%に上る。これとは別に、一般的な足甲プロテクターは小指部がカバーされていないものが多く、足甲部をケガする労働災害が発生しているという。

シューズの足甲部に装着する「足甲プロテクター」、22.5〜29.0cmの
シューズに取り付け可能、オープン価格

 ミズノの「足甲プロテクター」は小指部まで覆う形状を採用し、ガード範囲を広げたことがポイント。さらに、野球用ヘルメットや審判用の足甲プロテクターの開発で培ったノウハウを活用し、耐衝撃性と軽量性を追求した素材、表面構造を取り入れた。

 一般的な足甲プロテクターは多くがアルミニウム素材で作られているが、ミズノは野球用ヘルメットと同じABS樹脂を採用した。ABS樹脂の比重(約1.03)はアルミニウム(約2.7)より小さいため、ABS樹脂のほうは同じ質量でも、耐衝撃に求められる厚みを持たせつつガード面積を拡大することができる。表面の凹凸は審判用で使っている構造を作業用にカスタマイズした。

 ミズノはワークビジネス事業部を2019年に立ち上げるなど、製造業や運輸業など向けに商品ラインナップを強化している。2023年度は売上げ150億円をめざす。