安全・効率プラス環境対応を徹底
川越市立菅間学校給食センター
最新の厨房機器・洗浄システムを導入し、作業効率化や安全面の向上を図っている「埼玉県川越市立菅間学校給食センター」を訪問した。市内20校の小学校に１日約１万2000食分を提供しているが、太陽光発電システムをはじめセンサー付照明設置、雨水再利用などを通じ、環境負荷の低減も図っている。
菅間学校給食センターの外観
センターは同市の小学校向けの共同調理場として最大規模を誇る。市内20校の小学校に給食の主菜と副菜、デザートなどを１日に約１万2000食（370クラス分）提供している。栄養士５名、調理員34名、パート35名が勤務している。
同センターは老朽化した旧共同調理場（寿町学校給食センター）に代わる施設として2005年９月、県道川越栗橋線沿いの約１万�屬療效呂乏�設した。最新の厨房機器や洗浄システムを導入して作業効率化や安全面の向上を図っているほかに、学校給食衛生管理上の基準など各種衛生基準を遵守。床を常に乾いた状態に保つドライシステムを採用している。
皮むきなどを行なう下処理室
調理の作業区域を「汚染」と「非汚染」の２つに明確に区分し、２次汚染を防止している。
汚染区域では白衣、非汚染区域では青衣を必ず着用。調理室に入る前には、消毒室で手洗い励行はもちろん、エアシャワーで汚れや埃などを取り払う。調理用機器はドライシステムに対応したものを整備している。
業者の食材納品は午前８時30分から受け付ける。納品された食材は汚染区域の『検収室』で栄養士が鮮度や品質、規格、温度、量などを検品し記録する。検品後の食材は汚染区域の『下処理室』などに運び、皮むきなどをていねいに行なっている。下処理は午前10時頃までに終える。
回転調理釜を24基設置している煮物・炒め物の調理室
非汚染区域の『上処理室』では、洗浄後の野菜を献立に合わせて切裁。ここでも最新機器を導入し、作業の効率化を図っている。同じく非汚染区域に『揚物・焼物・煮物調理室』、『煮物・炒物調理室』がある。後者には回転調理釜を24基設置し、大量で多様な献立に対応している。
煮物の場合、10時10分には調理に取り掛かる。栄養士は調理作業の流れを確認し、衛生指導や具材の中心温度チェック・記録などを随時行なう。
汚染区域の『洗浄室』には６台の洗浄機を設置し、学校から戻った食器、食缶、コンテナなどを効率よく洗浄する。その後、非汚染区域の『コンテナ乾燥消毒室』で、洗浄した食器類をコンテナに入れた状態で熱風消毒し、乾燥させる。
揚物、焼物、蒸し物の調理室
同センターでは地球環境にも配慮し、施設電力の一部を賄う太陽光発電システム（発電容量20KW）やセンサー付照明の設置、雨水再利用、生ゴミ処理機導入による残菜の再資源化も行なっている。
汚染区域にある『残菜処理室』には生ゴミ処理機がある。１日あたり１ｔの残菜から200kgの有機肥料を生成する能力がある。残菜や野菜くずを真空ポンプで同機に送り込む。