高周波解凍の利点をアピール

 山本ビニターはFOOMAでブロック凍結の肉などを素早く均一に解凍する「テンパトロン」を出品する。高周波を使っていることが特徴。
 高周波は電磁波の一種だが、電子レンジでよく使われているマイクロ波と比べ波長が長い。食品を0℃以上に加熱する用途には向いていないが、凍ったものを解凍する場合は製品内部まで達しやすく、均一な解凍ができる。
 しかも、マイクロ波は水に対し非常に発熱性が高い特徴があるため、家庭で水分が多い食品を温めるのには向いているが、解凍に用いる場合は温度ムラにつながりやすい。

テンパトロンの連続処理タイプ

 マイクロ波を食品の解凍に使用した場合、解凍が進んで氷の分子が水の分子に変わりつつある時に水の分子だけ異常に発熱させてしまう。このため、ホットスポットが発生しやすく均一な解凍が困難となる。
 均一に解凍するだけならば水解凍や、冷蔵庫に一昼夜放置するという方法もあるが、環境によっては菌の発生など衛生面のリスクがある。また、不必要な量まで解凍してしまうムダが発生してしまう。
 テンパトロンは解凍時間が早いので、使う分だけ解凍できる。結果的にコスト削減につながる。
 具体的には、ブロック状に凍結した牛肉類、豚肉類、鶏肉類、魚肉類などの製品を、マイナス20℃くらいから、加工に適したマイナス1℃〜−5℃に高めるまでかかる時間は5〜30分ですむ。連続ライン化できることもメリット。
 展示するのはシリーズの中でも小型のバッチ式解凍装置だが、テンパトロンには箱詰の大型ブロック肉を短時間で解凍する連続処理タイプもある。連続処理タイプは時間当たり能力300kg〜4tほど。バッチタイプは実験的なサイズから時間当たり500kgほどの機種まで、多数ラインナップしている。
 ライン化提案の一環として、接着剤がついた小型の箱を加熱して組み立てる装置も出品する。金属のステープルで固定する箱は金属検出装置が使えなくなるため、食品の包装には加熱接着タイプの箱を使うことが多い。その箱を現場で簡単に組み立てることが出来る。