大日本水産会主催による恒例の水産業界新年賀詞交歓会が6日、東京都千代田区のグランドプリンスホテル赤坂で開催された。
今年は例年に比べ、より多くの国会議員が出席した。農林水産省幹部や大手水産会社、中央団体のトップら錚々(そうそう)たる顔ぶれが揃った。
大日本水産会の中須勇雄会長は「我々は魚好きな日本国民という良いマーケットを持っている。根強い消費者志向に応えていくことが我々の出発点。みんなで力を合わせ、水産業界発展のために努力していこう」と訴えた。
石破茂農水大臣は「どんなにいい政策を出しても、現場の一人ひとりに理解をいただけないようではだめ。親切・正直・丁寧な農水省を目指す」と最大限の努力を約した。資源管理については「1984年と2006年の漁獲量を比べると、遠洋、沖合、沿岸ともマイナスとなっており、資源管理のあり方をもう一度考えたい。ABC(生物学的許容漁獲量)、TAC(漁獲可能量)、ITQ(譲渡性個別割当)、IQ(個別割当)をどう組み合わせるか。水産業の持続可能性とは何なのかを原点に返ってきちんと検証し直す必要がある」と問題点を指摘した。
また、石破大臣は「食料自給率を上げるとともに、どうしたら魚を食べてもらえるのかも考えなくてはならない」とした上で「地元の鳥取では自動車で20分かけて遠くの量販店に行かないと魚が買えない。街中の限界集落化に対し、どのような流通ルートを確保すべきか。いろいろな棲み分けがあってしかるべき」との考えを述べた。最後に「農林水産業こそ21世紀に発展する産業。世界の食の安全のために何ができるかを考えていきたい」と意気込みを語った。
垣添直也副会長(日本水産社長)は「昨年は間違いなく業界として“動いた年”だった。その結果として、業界が変革あるいは構造改革をしていく芽が生まれたことは喜ばしいこと。我々の眼下の敵は間違いなく、100年に一度と言われる大シケ。資源を守り消費者においしく食べてもらうための努力も重要であり、大水を中心に一丸となって闘おう」と呼びかけ、高らかに乾杯の音頭をとった。
乾杯の音頭をとる垣添副会長