冷凍食品輸送のパイオニア、福岡運輸(福岡市、富永泰輔社長)は、関東エリアの西部に物流拠点確保を検討している。
富永社長は「西関東に拠点を確保する場合、賃借でTC(流通型)がメインになる」と構想を示している。
同社は関東エリアで自社と賃借を含めると北部(埼玉・岩槻)、東部(千葉・船橋)、南部(神奈川・東扇島)に既に物流拠点がある。
今後、西部に拠点が確保すれば「時間と距離がかかる関東で、より一層きめの細かい物流サービスを提供できる。需要はある。ニーズに応えるため、西部にも拠点があると理想的」(富永社長)という。
関東エリアの既設拠点は総じて手狭になっているという。その解消を図るためにも新たに拠点を建てる考え。
富永社長は「東京団地冷蔵が完成すると、関東エリアでの需給バランスは変わるはず」と語っている。
福岡運輸は宮城県仙台市に自社物流拠点を来年夏頃新設する。旧自社拠点は東日本大震災で津波が直撃し、壊滅的な被害を受けた。
そこで営業倉庫を活用し、東北エリアの輸送網を早期に回復したが、核となる仙台の拠点は現在も営業倉庫のまま。自社拠点の復活へ向け、検討を重ねてきた。それが「詰めの段階に入った」(富永社長)。
土地は既に購入手配した。立地はかつてと同じ宮城野区だが、「旧拠点より内陸部に位置している」(同)。仙台新拠点の規模は旧拠点と同じ程度という。旧拠点は敷地面積1617坪、平屋建、倉庫面積799坪だった。土地・建物とも自社所有拠点の新設は、九州配送センター(佐賀県鳥栖市)の2012年7月開設以来、およそ5年ぶりとなる。