ポイントは“長寿命”、Ｘ線異物検出機の新機種
アンリツ産機システムはＸ線異物検出機の新シリーズを「ＴＯＫＹＯ ＰＡＣＫ 2014」で初公開する。今回のポイントは“長寿命”。部品となるＸ線の発生源と受信部の寿命を延ばすことで、機器本体の生涯コストを大幅に削減する。
ＸＲ７５
新シリーズ名は「ＸＲ75」。ユーザーの使い方にもよるが、Ｘ線の発生源と受信部に関し、およそ３倍の長寿命化を実現した。
受信部を改良したことで、Ｘ線の出力を下げても、映し出される画像は従来機のように鮮明さを維持する。通常、受信部は強い�樟�を受けると、それだけ劣化が早くなったが、その懸念を克服した。発生源自体も今までのような出力の高い�樟�を発生する必要がなくなったため、その分寿命が長くなった。
�樟�検査装置は内部の発熱を抑えるため、ファンを組み込み、外気を取り入れて冷やすのが一般的。しかし、現場環境によっては外気を取り込めないので、自身で冷やすためのエアコンを搭載することが多い。新シリーズは特殊密閉構造の放熱ユニットを組み込んだ。多くの場合でエアコンの搭載を不要となる。エアコン自体にイニシャルコストがかかり、電気代も必要だったが、そのコストを解消できる。エアコンのスペースも削減でき、機器のスリム化につなげることができた。
Ｘ線異物検出機を導入したくても、製品やランニングコストが高いため、それが実現できないユーザーは少なくない。食肉業界や冷凍食品業界では導入が進んでいるが、「食品業界全体で導入は３〜４割ほどに留まっている」と同社では分析している。
同社の食品向けＸ線異物検出機の新機種は、食肉中の骨の検出感度を大幅に向上した「デュアルエナジーセンサ搭載型」以来３年ぶり。高額部品の長寿命化を訴求し、生涯コストを削減できる新シリーズの登場で、ユーザーがＸ線異物検出機を導入しやすい環境を整えたいとしている。