「セブンカフェ」のマシンに新機能
気分に合わせて選べる3つの味わい

 セブン-イレブン・ジャパンは年間販売数が7億4000万杯に上るドリップコーヒー「セブンカフェ」のコーヒーマシンに「軽め」、「ふつう」、「濃いめ」から好みの味わいが選べる新機能を搭載した。全国の店舗に導入し、「選べる3つの味わい 定番ブラック」として4日発売を開始した。アイス、ホットのいずれも3種類からワンタッチで選ぶことができる。

 1杯あたりのコーヒー豆の量は変えずに、やさしく2回抽出したり、ゆっくりお湯を注いだりと抽出方法をきめ細かくプログラム設定することで、香りやコクに強弱を付けている。バランスの良い味わいの「ふつう」に比べて、「軽め」は贅沢な香りのマイルドな味わい、「濃いめ」は飲みごたえのあるコク深い味わいが特徴。

 商品本部デイリー部の園田康清FF・冷凍食品シニアマーチャンダイザーによると、セブンカフェ利用者の2割超が1日2杯以上購入しているという。「(今回のセブンカフェは)朝起きた時やお昼の食事時、夜はお菓子と一緒にといった時間帯や食場面によって様々な使い分けができる。新たな魅力を提供していきたい」。

    記者発表会見で新セブンカフェをPRする園田シニアマーチャンダイザー(右)

ブレンド比率、焙煎方法も見直し

 新機能の追加に合わせてコーヒー豆のブレンド比率と焙煎方法も見直した。

 豆はグアテマラ、タンザニア、コロンビア、ブラジルの4種類を使い、ホットでは華やかな香りが特徴のタンザニアの比率を、アイスは甘く芳醇な香りのグアテマラの比率をそれぞれアップした。

 焙煎は2013年にダブル焙煎、2018年にトリプル焙煎を採用し、単調な味わいから奥行のある味わいへと進化させてきたが、今回からクアトロ焙煎(4段階焙煎)に切り替えた。これまでの「中煎り」、「中深煎り」、「極深煎り」にさらに「深煎り」のひと手間を加えることで、より奥行のある味わいを実現した。

味わいはディスプレイに表示される3種類のボタンから選べる。マシンはプロのハンドドリ
ップを忠実に再現する

 セブンカフェの年間販売数は、国内で人気の缶コーヒーの販売本数を大幅に上回るなど名実ともに日本一を誇る。それでも進化し続ける理由について、園田シニアマーチャンダイザーは次のように語る。

 「コロナ前はコンビニのコーヒーを含めて、外で移動中に飲むという場面が多かったが、人の移動が制限される中で家で飲むというニーズが圧倒的に高まった。一方で付加価値の高い豆の売上げは大幅に伸びているという調査もある。コーヒーのマーケットが大きく変化しており、お客様のおいしさに対する要求レベルも上がっている。我々も変化に合わせて進化する必要がある」。