全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会（鈴木博晶会長）は、かまぼこ、ちくわなどの水産ねり製品メーカーが原材料や物流費などの高騰に直面していると厳しい実情を訴えている。このほど書面で公式発表した。
会員企業には中小メーカーが多く、単独で値上げに踏み切るのは難しい。業界全体で足並みを揃えることで値上げに対する小売業界や消費者の理解を得たい考え。今後、コスト増分を製品価格に上乗せする動きが広がると見られる。
全かま連によるとコスト増の要因は３つ。�仝粁舛領篥爐垢蠖伐然覆�世界的な需給のひっ迫で上昇基調にある中、2015年から高止まりしている主要調達先の米国産が昨年後半から再び上昇に転じ、今年２月時点で前年比19％増に高騰していること、�∧胴饂困禄婬�期が終盤になり、対日価格交渉で一段と値上げ圧力が強まっていること、�Ｊ�流費や人件費、塩・でん粉などの副材料費、包装資材費が軒並み上昇していることを挙げている。
会員メーカーは2015年以降の原料高騰で収益が悪化しており、「生産コストの二重三重の上昇は自助努力の限界を超えている」（全かま連）として、「製品値上げを実施せざるを得ない状況」と理解を求めている。
食品の業界団体が値上げに理解を求める業界の実情をまとめ、コメントとして発表するのは珍しい。