パトロールは月１回のペースで実施。新工場の初年度2002（平成14）年６月にスタートし、この年の目標は60点とした。
評価は総務・経理・業務などの事務所関係、品質管理室・生産管理室などいわゆる間接部門で高く、直接作業の現場は低い傾向であった。現場は汚れ、放置、乱雑等の指摘箇所が多く、また構成人員が多いので、５Ｓの趣旨が徹底しにくい面があり、習慣化には時間をかけねばならなかった。
特に改善が遅れたのは技術課であった。部品、工具の整理・整頓とそれらの置場所表示、工作作業台の乱雑さなどが指摘されていた。
スタート月の６月の平均点は47点、これが年度末の３月には74点と著しく向上した。年間平均では67点であり、この年の目標60点には到達したが、本目標の70点にはもう少しであった。現場関係の年度平均54点がマイナスとなった。作業場は生産活動中なので原料や製品、パン粉などの落下や、工具、ハサミなどの放置、壁、天井の汚れ、仕掛品の乱雑で非衛生的な置き方（床に直置）など指摘事項は山ほどあった。
そこで月１回５Ｓの日（生産はせず）を設け、普段出来ない高所や機械・ラインの掃除しにくい箇所を清掃し、さらに設備の不備も発見され、予防保全に貢献した。同時にその日は社長以下経営層のパトロールを実施し、５Ｓに対する意識を全体共有した。また現場では汚さない、落とさないを徹底して習慣化するよう朝礼などで教育した。
自分たちで定めたチェックシート、自分たちで採点した評価の70点前後の状態は、会社全体が清潔で整然とした清々しい雰囲気になったことを示し、アイサツその他、躾の行き届いた従業員が明るく伸び伸びと働く現場となってきた事を実感した。