FOOMAフォトルポ、大手企業も出展

 「世界最大級の食品製造総合展」をうたうFOOMAには大手企業の出展も目立つ。タイヤメーカー大手のブリヂストンは初出展。自社開発した食品ハンドのAIソフトロボティクスを披露している。ベアリングで世界シェア1位のミネベアミツミは堅牢でハイジェニックな独製(ミネベアインテック社)の検査機を多数出品している。紙容器充てん包装システムのグローバルサプライヤー、日本テトラパックは数十年ぶりの出展。無菌充てんの紙容器をアピールしている。
 初日の様子を写真で紹介する。

 ブリヂストンは社内ベンチャーのソフトロボティクスベンチャーズがソフトロボットを出
品している。独自技術のゴム製(高分子複合材)人工筋肉を採用し、AIとカメラを使って
ピック&プレースを実演している。モノの固さや位置を判別し、力加減を調整しながら把持
する。処理能力は1時間あたり500〜600ピースという

 ミネベアミツミはイタリア製のX線検査機を出品している。NG製品の排出機構を1台に
集約しており、設置幅1mの省スペース設計を実現した。欧州では導入実績が豊富だが、日
本市場の本格的な掘り起こしはこれから。EHEDGに対応した洗浄性と欧州製の特長である
堅牢性の高さをアピールしている

 日本テトラパックはG7広島サミットに採用された無菌充てんの紙容器入りミネラルウォ
ータ「テトラ・プリズマ」やレトルト殺菌を可能にした世界初の紙容器「テトラ・リカルト」
(写真棚上段)を展示している。同社の紙容器は無菌充てんのため常温流通が可能。日本市場
でも採用の動きが広がっている

 デンソーウェーブは人協働ロボット「COBOTTA PRO」を活用した実演が毎回話題を集め
るが、今回は最新の惣菜盛付システムを出品している。会場では粘着性の高いポテサラの定量
盛り付けを実演。粘着性の高い食材をつかむにはグリッパ(ハンド)の精度がカギを握る。今
回は調理ロボの新興企業TechMagicが開発した。重量偏差が少ないことをアピールしている

 ニッコーは段ボールケースの開梱・取出し装置を出品し、協働ロボットやAMR(無人搬
送機)との連携作業を実演している。装置に投入した段ボールの底面に刃を入れて開梱し、開
梱後は箱を持ち上げて原料だけを後工程に流す仕組み。空箱は自動で排出される。原料の運搬
や開梱などの重労働を自動化し、労働環境の改善を貢献する

 滝川工業は菓子やパンに焼き印を付ける「IHマーカー」とロボットアームを組み合わせた
連続ラインの実演を行っている。「IHマーカー」はこれまでのヒーター方式に比べて加熱効
率が良く、余分な箇所は加熱しないため省エネ性も高い。今回は参考展示だが、ニーズがあれ
ばロボットを活用できることもアピールしている