冷凍ユニットの新型「Ｃ−ＬＴＳ」秋発売へ
軽量コンパクトで設置しやすく
新型「Ｃ−ＬＴＳ」はコンパクトで美しいデザインに
三菱重工冷熱が提案する冷凍ユニットの新機種は�ヾ�存冷蔵庫のリニューアル向けに開発した新型「Ｃ−ＬＴＳ」と��比較的小型の冷蔵倉庫に向いたＣＯ２単体冷媒冷凍冷蔵コンデンシングユニット「Ｃ−ｐｕｚｚｌｅ」の40馬力タイプの２機種。
いずれも自然冷媒を使った高効率な冷凍ユニットであることが特徴。
「Ｃ−ＬＴＳ」シリーズはアンモニア冷媒の半密封圧縮機（一次側）で生み出した低温を、ＣＯ２をブラインとする二次側と熱交換する方式を採用している。
アンモニアはユニット内だけに閉じ込められており、二次側のＣＯ２が倉庫のクーラーやフリーザーを循環して冷すため安全性が高い。
しかもフロン冷凍機（Ｒ２２、水冷式２段圧縮スクリュー冷凍機との比較）と比べて約３５％の省エネ性能を発揮する。このため多くの冷蔵倉庫で採用されている。
既存機種は電動機定格出力が24〜１２５kWの５機種があるが、今秋発売予定の新型「Ｃ−ＬＴＳ」は、シリーズの中でも比較的小型の24kW、37kW、45kWの３タイプ。従来機よりさらに小型軽量化したことで、倉庫で一般的な３tクラスのエレベーターで搬入が可能になった。
小型ユニットは、いずれも同じサイズ（Ｗ2000ｍｍ×Ｌ2500ｍｍ×Ｈ2400ｍｍ）であり、設置面積で従来機比32％の削減、乾燥重量で約23％の軽量化を実現している。さらに、バルブの位置などを見直すことでメンテナンスなどの利便性を向上させた。
今回は外観も一新しており、白を基調にブルーのストライプとロゴを配色し、全体的にクリーンなイメージを出している。
Ｃパズルシリーズ、40馬力を追加
ＣＯ２単体冷媒を採用した冷凍冷蔵コンデンシングユニット「Ｃ−ｐｕｚｚｌｅ」（Ｃパズル 三菱重工サーマルシステムズ社製）シリーズは、40馬力タイプを今夏発売する。今回、既存の10馬力と20馬力に40馬力が加わったことでシリーズが充実した。
「Ｃ−ｐｕｚｚｌｅ」は発売以来ユーザーから好評で、保管庫・冷蔵庫・荷捌きゾーンを中心に数多く導入されているという。自然冷媒導入の補助金を利用できることも強みの一つ。
「Ｃ−ｐｕｚｚｌｅ」は低圧縮比に優れたロータリー圧縮方式と、高圧縮比に優れたスクロール圧縮方式を組み合わせた特許技術の２段圧縮機「スクロータリーコンプレッサ」を採用した。
これにより安全性とすべての運転条件での高効率を実現している。さらにガスインジェクションサイクルの採用でさらなる高効率と省電力を実現している。低騒音なことも特長で、音だけでは動いているのかわからないほど。
40馬力タイプは20馬力タイプ２基とレシーバーなどを収容した容器ユニットで構成しており、小型機を複数設置する場合に比べ施工配管が簡素化できる。
高さを統一し景観に配慮したデザインを採用。これらの機器を分離した構成にすることもでき、狭い場所に対応する自由な設置性を実現している。既設機からの置き換えや位置変更の場合も対応しやすい。
オイルポッド（油溜め）の設置により圧縮機の給油を確保することで、コンデンシングユニットとユニットクーラー間の配管の長さは最大100ｍ、高低差は22ｍまで使用可能。
ＣＯ２は腐食性がなく、安価であるためメンテナンス費用の削減にも役立つ。
総合的な省エネソリューションも提案
新型機の開発だけでなく、同社ではソリューション提案にも力を入れている。
「省エネ・熱ソリューション」は空気や温水などの排熱をヒートポンプで回収して再利用するために、現状の設備を調査・診断して最適な方法を提案する。
「冷熱製品を通じて地球温暖化対策に貢献し、三菱重工グループの総合力を生かし、冷やすことから凍らせること、工場温熱・冷熱を有効活用した省エネ提案をする」（同社）。
三菱重工グループとして「ワンストップ・ソリューション」を掲げ、冷凍冷蔵分野や物流分野への提案を行っていく。高効率で環境にやさしい自然冷媒を用いた最新設備の提案や、各種補助金申請の手伝いなども手掛けている。