健康食宅配サービスのファンデリー(東京都北区、阿部公祐社長)は医療機関の紹介ネットワークを通じたサンプリング受託業務にオプションサービスとして「O2O(オンライン・ツー・オフライン)」を新たに追加する。食品メーカーの売上げ拡大に貢献する。
ファンデリーは健康食通販カタログ「ミールタイム」を全国の医療機関や調剤薬局など約2万1000カ所に配布。生活習慣病や食事制限が必要な人に栄養士が開発した健康食を提案している。
さらに、このネットワークを活用して食品メーカーが販売する健康価値の高い商品を医療従事者から患者に推奨・配布してもらう「医療機関リコメンドサンプリング」をメーカーに提供している。
今回のオプションサービスは食事コントロールに関する情報冊子を患者に配布し、患者が冊子内にあるQRコードを読み取ってアンケートに答えると、コンビニやドラッグストアで商品と交換が可能な電子クーポンを取得できるというもの。
医療従事者や管理栄養士らが高血圧患者に冊子を配る場合、食事コントロールを指導するのと併せて減塩商品を紹介する。専門家が商品の特徴や魅力を伝えることで患者の理解が進み、商品のブランド価値が向上するほか、サンプリングを通じたリピート購入が期待できる。
「医療機関リコメンドサンプリング」のオプションサービスの概要
情報冊子はファンデリーが食品メーカーと相談しながら作成する。メーカーの担当者やファンデリーの栄養士によるコメントも掲載できる。同社によれば「患者の健康状況に基づいているため、ターゲットを絞り100万人にアプローチすることも可能」という。2月から食品メーカーに提案を開始する。当初は各食品カテゴリーにつき1商品の受託に限定し、サンプリングの効果測定も同時に行う。
ファンデリーは減塩や糖質オフの健康食を大手食品メーカーと共同開発したり、同社の栄養士が健康志向の高いメーカーの商品を推奨するなど協業の幅を広げている。
1日あたり6.0g未満の塩分摂取量を目標として減塩を推奨する「らくだ6.0プロジェクト」には味の素や日清食品、東洋水産、理研ビタミンなど食品メーカー23社が参加している。