グループで人材交流、得意分野学ぶ

 グリーンポートリーの鶏処理場とチルド品加工場の裏手には別の工場棟がある。ここでは冷凍のチキンカツやクリスピーチキン、肝煮などを生産している。前身の岡山県ブロイラーの頃は冷凍加工品を手がけていなかったため、バターリングマシンやパン粉付け機、フリーザーなど一連の製造プラントを導入した。
 パン粉は内製化している。岡山県ブロイラーから同社に移行したスタッフの数はおよそ半数。彼らは鶏の処理に関しては熟知しているが、パンの製造となると初めての経験。そこで活かしたのがグループの加工場のノウハウだった。
 本格稼働を前に、スタッフ2名が神戸物産グループでパンを製造している(株)麦パン工房(岐阜市)で研修し、小麦粉の配合からパンの焼き方、チキンカツに合うパン粉の作り方などを2カ月かけて学んだ。この研修成果を持ち帰り、2名のスタッフはチキンカツライン立ち上げ準備のリーダーシップをとった。新たに採用するパートタイマーの指導役にもなった。

パン粉付け工程、パン粉は内製化している

チキンカツライン

ソーセージラインを新設

大村取締役(右)と沖丸生産本部長

 また、敷地内にある別の工場棟の改修が完了し、この2月からポーク&チキンソーセージラインを稼働させた。ソーセージの生産も初めての試み。ここでもグループでソーセージを加工している(株)肉の太公(東京都江戸川区)のノウハウが活かされている。
 「パン作りもソーセージ作りも、どちらも若手のスタッフを指名して研修に派遣した。技術の取得はもちろん、責任感を育てる機会となり、新規事業が活発な当社にとっての原動力となっている」(大村将洋取締役)。
 生産部の沖丸優本部長も「グループの一員になってからは、他の会社に負けられないといい刺激となっている。最新機械を一気に導入してきたが、本格的な稼働はまだまだこれから。今まで以上に使いこなし、結果を出せる工場に育てていきたい」と意気込んでいる。

新設したソーセージライン