物流施設に蓄電池を初導入、再エネ最適化を検証

 物流不動産開発のプロロジス(東京都千代田区、山田御酒会長CEO)や豊田通商など全9社は物流施設に設置した蓄電池・太陽光発電を活用して、再生可能エネルギーの最適化を図るアグリゲーション(統合制御)実証をこのほど開始した。来年2月までの公募事業(経済産業省)。

 物流施設でのグリーン電力活用の動きは急速に広がっており、今後はVPP(仮想電力)や蓄電池を使って電力の需給バランスの最適化などを図る必要がある。

 今回の実証実験では豊田通商の子会社、テラスエナジー(東京都港区)のVPPプラットフォームサービス「ReEra」を使い、発電予測・余剰予測の精度向上のほか、複数の再エネ発電所を束ねてアグリケーションすることによる託送時の計画上の発電量と実際の発電量の過不足(インバランス)低減を検証する。

      プロロジスとして初めて蓄電池を導入する「プロロジスパーク草加」

 蓄電池のマルチユース機能も検証の対象。発電側の蓄電池では機械学習や統計モデルを使って制御し、インバランス調整が行えるかどうかを確認する。需要側の蓄電池では充放電の制御による電力使用のピークカットを検証する。

 プロロジスは昨年竣工したマルチテナント型の「プロロジスパーク草加」(埼玉県草加市)に太陽光発電とピークカット用の蓄電池を今後設置する。蓄電池は20フィートコンテナ型で蓄電池容量は2.7MWh。蓄電池の導入は初の試みで、今回の検証後は運営する各施設への導入を加速するとしている。また、インバランス低減の結果が得られれば、各施設間でのグリーン電力の融通拡大をめざす。