イントラロックスはFOOMAで食品加工のソリューションを提案する。
同社は1971年にモジュールプラスチックベルト(MPB)を発明したメーカー。従来の金属ベルトや繊維系の平ベルトで起きる様々な問題を、同社の革新的な技術で解決できることを展示会でアピールする。同社は今年のNFSインターナショナルフードセーフティリーダーシップアワードを受賞しており、ソリューション解決が高く評価されている企業の一つ。
一体成形の「サーモドライブベルト」
食品安全のソリューションとしては、昨年発売した「サーモドライブベルト」を具体例にして提案する
サーモドライブはモジュールタイプではなく、熱可塑性のあるプラスチックを使った一体成型のベルト。表面に全く開孔がないフラットなベルトなので菌のえさとなる食品くずなどがきれいに洗い流せる。繊維でできたベルトは小さな隙間に菌やカビの胞子が入りこむ可能性があるが、サーモドライブは一体成型のプラスチックで、吸湿性もないためカビが発生しない。
スプロケット駆動なのでベルトを引っ張る必要がなく、テンションがかからない点はMPBと同じ。ベルト表面にエンボス加工をほどこしてくっつきやすい製品を搬送する用途にも対応できる。
「スパイラロックス」はスパイラルフリーザーなどの冷凍・冷却用途をはじめプルーファー、エレベーターなどに適合しているプラスチック製のパーツを編むように組み立てたベルトが特徴。金属ベルトと比べ、製品ロスやメンテナンスにかかる手間と費用が大幅に削減できる。
これまでスパイラルにはステンレスのメッシュベルトが使われていたが、ステンレスはブラックスペックと呼ばれる金属の磨耗粉が製品に付着したり、突起がピンホールを空けてしまったり、製品によっては網の跡がくっきりとついてしまったりと、不良品を発生させることがあった。
潤滑油が不要でメンテナンスの手間から開放されることが利点の一つ。メンテナンス時間の減少と不良品のロス削減により結果的にコスト削減につながる。プラスチック製でありながら抜群の強度があり、オープンヒンジ設計によって衛生効果は最大限に高まる。安定した通気性能があるのでフリーザーなどの性能向上にもつながる。
「アクティベィテッドローラーベルト」
「アクティベィテッドローラーベルト」(ARB)は搬送ラインの仕分けなどに使う。個々のパッケージをそれぞれ任意の方向に素早く制御して流す技術。電子制御のないシンプルな仕組みでありながら確実性が高く、フルオープンなのでメンテナンスや作業性がいい。日本でも大手製菓会社が幅寄せ、印字コンベアとして導入している。
同社の代名詞ともいえるMPBは、既に日本の食品工場でも金属ベルトや平ベルトに取って代わって一般的に使われているが、衛生的で耐久性があり、テンションがかからないため蛇行などの心配がなく、メンテナンスフリーであるなど、基本的な長所をあらためてアピールする。