京樽をスシローに譲渡、事業立て直しを急ぐ

 吉野家ホールディングスは連結子会社で持ち帰り寿司チェーン京樽の全株式を回転寿司大手のスシローグローバルホールディングスに4月1日付けで譲渡すると発表した。譲渡価額は非公表。新型コロナの影響で業績が落ち込んでいる各事業を見直し、成長事業へ経営資源を集中する。

 京樽は「京樽」のほか、回転寿司の「海鮮三崎港」や江戸前寿司店の「すし三崎丸」、テイクアウト専門店の「すし三崎港」を展開し、国内290店舗、海外2店舗を持つ。都市部を中心に出店を進めてきたことで新型コロナの影響を大きく受けるかたちとなった。2021年2月期(3〜11月)のセグメント別の売上高は前年同期比35.1%減の136億5900万円、損失は20億1900万円(前年同期は利益2億5200万円)に上った。

 吉野家の通期の連結業績は大幅な最終赤字に陥る見通しで、事業の選択と集中を加速し、早期に事業立て直しを図る考え。京樽にとってもスシローグループに加わることで、仕入れルートの融合や商品力の強化などシナジー効果が見込めると判断した。