キユーピーは卵白を乳酸菌で発酵させた「乳酸発酵卵白」がレトルト食品の加熱臭を低減し、焼き菓子はしっとりして口どけの良い食感になるなど、食品の風味や食感を向上させることを確かめた。
調理した牛丼の具に乳酸発酵卵白を2%、または5%添加し、アルミパウチに入れて121℃で40分間殺菌。官能検査で風味を評価した結果、添加量に応じて風味が向上していることがわかった。
香気成分を機器分析したところ、加熱臭をもたらす物質の量が乳酸発酵卵白の添加量に応じて減少していた。これにより、乳酸発酵卵白は食品を加熱する時のにおい物質の発生を抑制し、レトルト食品の風味を向上させることが示唆された。
また、焼き菓子(ブッセ)に乳酸発酵卵白を3.2%添加して焼成し、4日間冷蔵保存後にしっとり感や口どけなどの食感を官能検査したところ、乳酸発酵卵白を加えた焼き菓子は柔らかさや口どけの良さ等の食感に優れていることがわかった。
焼き菓子の水分量を測定すると、乳酸発酵卵白添加品の水分は未添加品に比べ高くなっていた。これにより乳酸発酵卵白の保水効果が食感を向上させていることが示唆された。
キユーピーは卵白の有効活用について研究を進めている。これまでに、乳酸発酵卵白は食品素材として利用しやすく、ヒトでの摂取試験により、血中コレステロール濃度を低減することを見出している。