赤川社長「豊かな環境、風土に恵まれた山形」
野菜、畜肉などの原料は近隣の業者から搬入
モガミフーズ（３）
モガミフーズの赤川慶三社長は同社の位置づけや製造ラインの特徴、今後の取り組み方針などにつき、次の様に語っている。
赤川社長
「当社が位置する山形県は世帯当たり平均人員、３世代同居率、女性就業率が日本一。子供は祖父母が世話してくれるため、主婦が働ける環境が整っている。世帯当たりの所得も高い。人と人の関係も残る豊かな風土にある。
月山の水を工場では上水に使っており、野菜、肉などの原料は隣接する供給業者から入手できるメリットがある。
主力品の自然解凍は原料を洗浄、選別し調理加工を経て製品化。トレー詰めを含め、機械化を果たしているのが特徴。ただし商品によっては機械適性の悪いものもあるので、08年10月に手詰めラインを増設した。
日本水産の『ちゃんぽん』の具材はケトルで調理し、スパイラルフリーザーで凍結して姫路総合工場に送る。
当社の発足当初は地元で穫れるフルーツやなめこなどを加工した農産缶詰や鯨缶、さらには即席ラーメン等を手掛けていた。昭和から平成にかけてレトルトシチューやカレーを生産していた時期もある。
1986年（昭和61年）から「ちゃんぽん」の具材がスタート。99年（平成11年）に自然解凍が加わった。
07年の年商は約25億円。これが08年に自然解凍の大増産で急上昇し、09年度には約45億円に倍増した。特に自然解凍の煮付け類が二倍増と大きく伸びた。
現在の生産品目は�ー�然解凍煮付け�△舛磴鵑櫃鵝�五目あんかけ麺、新製品カレーラーメン等の具材��皿うどん（製品）。
「自然解凍でおいしい」シリーズでは�。骸錣力汰攤抬△曚Δ譴鸛陦骸錣里�かず��３種の中華�い�んぴらごぼう�イ劼犬�の煮つけ�λ萋�選べるおそうざい――などを生産している。
「３種の和惣菜」の製造ライン
部外者入場禁止、カメラ32台稼働
モガミフーズはフードディフェンスにも取り組んでいる。来訪者は問診表・チェックシートに記入する。部外者は工場内入場禁止。入り口玄関ドアは暗証番号で開閉。工場内にはテレビカメラを32台設置。井戸水の使用を中止し、上水のみ使っている。
食の安全・安心対策も講じている。
まず、日水ＨＡＣＣＰ相当基準による認定を取得。これにより工程の衛生区分と動線管理、アレルゲンの区分け管理、原料規格保証書による原材料のトレース管理を行なっている。
日本冷凍食品協会の新基準に基づく認定も取得済。法令順守と責任の明確化、マネージメントシステムの構築、科学的手法で検証した製造工程管理を実施している。
「エクセレントラボ」による日水グループ統一の検査レベルの維持向上も図っている。
品質向上のための設備、仕組みとしては、�〕嬖�野菜の洗浄の徹底（充分な解凍、適度な流量）�∩�別者の厳選、ローテーションを行なっている。
細菌コントロールについては、自然解凍の商品を扱っているため、法定より厳しい自主基準を設定している。定めているのは30℃で12時間に耐えうる商品設計。このため、清掃を徹底。工場内は「クリーンルーム」の意識で取り組んでいる」。
モガミフーズの本社・工場棟入口、玄関は暗証番号がないと入室できない
モガミフーズ�蠅硫饉匈詰�
◇所在地 山形県西村山郡河北町谷地字鉾江96（〒999−3511、電話0237−73−2225代表、2227製造部、Ｆａｘ0237−72−7158、mogamifs@mogamifoods.co.jp）
◇資本金 ９８００万円
◇設立 昭和42年（1967年）２月27日
◇役員 代表取締役社長・赤川慶三、取締役・秋本和彦、同業務部長・長田邦博、同（非常勤）・金田進（日本水産常務執行役員）、監査役（非常勤）・小田幸一
◇年商 39億9000万円（平成２０年度実績）
◇従業員 307名（うち正社員38名、契約社員＜フルタイム＞209名、パートタイム60名）
◇事業内容 食料品の製造加工販売（調理冷凍食品）
◇設備 工場敷地１万5540.86�屐別�4700坪）、建物延床7435.66�屐別�2253坪）
◇生産設備 冷凍食品工場設備（連続凍結設備、充填機、急速冷却機、自動包装機ほか）――自然解凍の全自動２ライン、手詰め１ライン
◇資格 ＩＳＯ9001：2000、ＩＳＯ14001：2004認証取得
◇主要販売先 日本水産
◇主要仕入先 日本水産、�蟷碍舛瓦椶�商会
◇主要取引先銀行 山形銀行谷地支店
◇会社の沿革 ◆昭和42年２月農産果実缶詰の生産を主目的に皿屋食品�蠅�ら日本水産が事業を譲り受け全額出資で「最上缶詰�蝓廚鮴瀘�、桜桃、白桃、なめこ缶詰を主体に生産
◆昭和62年４月冷凍食品事業を開始
◆昭和62年９月レトルト食品事業を開始
◆平成２年６月冷凍食品工場を増設
◆平成３年４月最上缶詰�蠅�らモガミフーズ�蠅房厂省儿�
◆平成８年８月コンビニエンス向けの米飯、惣菜等のチルド事業に進出、冷凍食品とチルド品の生産を主とする事業に転換図る
◆平成14年缶詰事業から撤退
◆平成16年７月チルド事業から撤退、冷凍食品事業に一本化
◆平成18年３月工場と事務所棟を増改築、日本水産の市販用自然解凍シリーズを手掛ける
◆平成20年10月自然解凍の手詰めライン増設
◇経営理念 日本水産�蠅凌�品事業の関係工場としてコストと品質向上を重視し、安全かつ信頼される商品づくりに邁進し、顧客の満足度を高め、役員・全従業員は、折り目正しく行動し、地域社会にも貢献し続けます。
モガミフーズ�蠅了�業目的は、安心、安全で価値観のある商品を開発・生産・販売することにより、お客様の満足と信頼をいただき続けることです。
◇ 環境理念 「資源を大切にし、地球に感謝の心をもって接します」
�仝造蕕譴浸餮擦鮗＼ぢ紊飽�き継ぐため、無駄遣いをしません。
�⊃佑伴�然に配慮し、地球環境を汚しません。
�８楜劼簔楼莠匆颪�ら感謝される企業をめざします。