味の素などグループ再編進む、国内事業の基盤強化を加速

 味の素グループは中期経営計画(2017〜2019年)で国内生産体制の再編を重点戦略に掲げ、総額400億円を投じて生産拠点の集約・再編を進めている。その一環として、味の素の製造事業の一部とクノール食品、味の素パッケージングを統合し、クノール食品を承継会社として来年4月に新会社を発足する。新会社の概要を9月27日発表した。
 新社名は「味の素食品」。代表取締役社長には味の素川崎事業所長の辻田浩志執行役員が就任する。従業員数は約2100名。調味料・加工食品の製造・包装事業を行う。
 今回の再編で生産拠点を5カ所に統合し、さらに2021年度中に川崎工場(神奈川県川崎市)、三重工場(三重県四日市市)、関西工場(大阪府高槻市)の3拠点に集約する。ICT・自動化などの先端技術を活用した最新鋭の工場を建設し、生産性や資産効率を高めて事業構造を強化するねらいがある。
 三重工場ではすでに味の素パッケージング関西工場の製造・包装機能を移管し、約150億円を投じて調味料などの製造・包装一貫生産の新工場建設を進めている。完工は2019年度下期の予定。また、川崎工場内にも2021年度上期までに新工場を建設する。
 味の素グループは当初の計画通り、「2022年度以降はEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)を年間約70億円改善し、対象事業の事業利益率を約2%向上させる」としている。

森永製菓、森永スナック食品など閉鎖へ

高崎工場は森永製菓のフラグシップ工場として
主力品を製造している(同社HPより)

 森永製菓は国内生産拠点の森永スナック食品(千葉県野田市)と森永甲府フーズ(山梨県甲府市)の2工場を閉鎖し、他工場へ移管すると9月28日発表した。国内9工場から7工場に集約する。
 森永スナック食品は1965年操業。2019年12月の閉鎖に伴い、生産品目の「ポテロング」は小山工場(栃木県小山市)に移管するが、「チョコフレーク」、「5袋ミニポテロング」は生産を終了する。森永甲府フーズは1982年操業。2020年3月の閉鎖に伴い「ハイチュウプレミアム」、「ハイチュウミニ」などを鶴見工場(横浜市)に移管する。
 森永製菓は今期の中期経営計画で「経営基盤の盤石化と成長戦略の加速」をテーマに掲げており、主力ブランド群の生産体制を一層強化するため、来年4月着工予定の高崎第3工場の建設を含め、今後3年間で約400億円の設備投資計画を進めている。
 今回の生産拠点の再編で適正な人員確保や輸送効率の向上、老朽化した設備の更新などの課題解決を推進し、「中長期的な国内菓子食品事業の基盤強化する」(同社)という。