三洋電機はプールや温浴施設などの水を浄化・殺菌する「アクアクリーンシステム」で生成した電解水が、水道水の塩素酸抑制に高い効果があることを実証した。水処理メーカーのアクアス(東京都目黒区、佐藤英子社長)の実験協力を得て進めた。専用水道を扱う事業者向けに販路を拡大し、食品工場にも積極的に導入を呼びかける。
アクアクリーンシステム
ACS−B600
従来、水道水の消毒で使用している塩素薬剤の次亜塩素酸ナトリウムに比べ、塩素酸濃度が1/8〜1/3と非常に低く抑えることができ、水道水の塩素酸管理が有効となる。また、電解水を適時・適量生成するため、長期間保管による有効塩素の減少、塩素酸の増加もない。
塩素酸を大量摂取した場合、赤血球細胞への酸化ダメージ(ヘモグロビン、血球容量、赤血球数の減少など)が懸念されている。塩素酸の対策はハイグレードの次亜塩素酸を使用すること、塩素酸増加までの短期間で使い切り補充すること、あるいは冷却装置などをつけ、塩素酸を増えにくくすることなどが挙げられるが、いずれもコストや設備費用が高くなってしまう。そのため、現場で次亜塩素酸を生成することが適していると訴求する。
「アクアクリーンシステム」は電解水を自動的に生成、注入するシステム。塩素薬剤を使わずに、プールや温浴施設などの水を浄化・除菌することができ、900台ほど導入されている。原料が高純度の塩化ナトリウムと水のため、取り扱いも簡単で保管場所も選ばない。
プールや温浴施設向けのシステムだったが、食品工場側からの問い合わせがあり、アクアスとともに水道水の塩素酸抑制の効果を検証し、有効性を実証した。当面は現行機を横展開していく。