凍ったまま調理できる「豚肉」加工品発売
「楽らくクック」骨なし魚の技術生かす、臭み抑え柔らかい

 大冷は骨なし魚の大ヒットシリーズ「楽らくクック」に続く新カテゴリーとして、豚肉を加工した「楽らく匠味(たくみ)ミート」シリーズを開発した。「楽らく」魚と同様に、凍ったまま調理できるよう特殊加工した。肉の臭みを抑え、冷めてもパサつかず、柔らかさを持続する。加熱しても縮みにくいため、加熱歩留まりが良くなった。
 第1弾は豚バラスライス、豚肩ロース切身、豚ローススライス、豚肩切落としの4種。
 楽らくクックの骨なし魚を利用している病院、老健施設、給食施設等のユーザーから「これまで以上に使いやすい畜肉製品」に対する要望が強かったため、開発に取り組んできた。
 また給食施設等で使う食肉は、これまで近隣の精肉店から調達するケースが多かったが「冷凍食品として通年仕入れすることにより、コスト管理と品質管理がしやすくなる」(同社)とアピールしている。

 「楽らくクック」の骨なし魚は凍ったまま調理ができて、色が良く、魚本来のおいしさが楽しめる商品として、病院給食、老健施設や各種給食現場などに浸透が進んでいる。前期の骨なし魚の売上げ106億円のうち、発売からわずか2年の「楽らくクック」が60億円と半数を超えるほど急速に需要が広がっている。
 畜肉の新シリーズはこうした同社独自の技術と経験などを生かして開発した。

 豚肉加工品の新製品「楽らく匠味ミートシリーズ」のほか、生魚を使った煮魚「楽らく調味骨なし魚シリーズ」、椀だね用の新製品「楽らく生つみれシリーズ」、さらに、従来の「骨なし魚」とは真逆の発想で取り組んだ「骨ごと魚シリーズ」――の新開発シリーズを揃え、東京と大阪でこの夏に開く「創業40周年展示会」で得意先に初公開する。
 「楽らく調味骨なし魚」は冷凍生魚と調味液をパック詰めした煮魚用製品。現場ではボイルするだけ。加熱が1回だけなので魚肉が身割れせず、魚の生臭さもなく、柔らかな煮魚が味わえる。制菌技術を生かしている。
 「楽らく生つみれ」は独自技術で水産素材を柔らかく仕上げ、つみれにした。「寿司ダネと同等の制菌レベル」。第1弾はあじ、たいを使って製品化する。椀だね用、冷凍素材。
 「骨ごと魚」は骨なしとは逆に、魚の骨ごと加工処理する。先行他社の失敗例を分析し開発した。製法特許出願中。

創業40周年展示会、東京と大阪で

 大冷は創業40周年に当たり、得意先に謝恩のため、記念展示会を2会場で開く。
 東京は7月27日、東京台場のホテル日航、大阪は8月2日、大阪駅前のホテルグランヴィアで。新開発した画期的な新製品「楽らく匠味」の豚肉加工品や水産加工品を発表する。
 料理研究家で冷食コンサルタントの矢治長子氏が調理講師を務める。