未利用魚を学校給食に
タイのチキン工場は月間1500tの巨艦

 ニチレイフーズが原料から一貫した生産管理体制の構築を国内外で進めている。
 魚では“未利用魚”を活用して冷凍加工し、学校給食などに供給する事業を立ち上げた。原料の新たな調達手段を確保するとともに、資源の有効利用、国産原料の自給率アップも見越した取り組み。
 京都府漁連と昨年夏からタイアップし、舞鶴港など府内の漁港で水揚げされる小型サイズなどの未利用魚を冷凍水産品に加工。同府と滋賀県内の学校給食に供給している。かたくちいわし、あじ、さばなどが主。
 同社の池田泰弘執行役員商品本部長によれば「実験段階だが、かたくちいわしの場合、水揚げしても小型サイズなどの理由で市場に販売できない未利用魚が、多い時は水揚げ総量の75%を占めることもある」という。
 農水省が取り組む国産食料品の利用促進活動「フードアクションニッポン」にも未利用魚の活用で同社も参画。この事業が評価され、優秀賞を1月受賞したばかり。

 チキンではタイのGFPT社との合弁新会社GFN社が現地で新工場を建設している。東京ドーム5個分という巨大な敷地内に養鶏場から搬入した鶏の処理工場と加工工場を隣接。1日に鶏肉10万羽を処理し、製品の月間生産能力は1500tという超大型拠点。6月中に竣工、農水省の監査、認可を経て10月頃から稼働し、日本に供給する。処理した鶏肉原料はタイのスラポンニチレイでも利用する。

 ニチレイフーズは農産物で千葉の農業法人と合弁事業を昨年から展開している。原料からの一貫事業を今後も推進する考え。