国内最大級の餃子製造拠点に
関東第三工場が11月稼働
イートアンドフーズは旺盛な需要に応えるため市販用冷凍食品の主力品「大阪王将 羽根つき餃子」の製造ラインを導入した関東第三工場を群馬県板倉町にこのほど竣工、11月操業を開始する。隣接する関東第一・第二工場と合わせて、日本最大級の生産量を誇る冷凍餃子製造拠点となる。
建物・設備に約24億円を投じた。延床面積は5539�屐Ａ苅乾薀ぅ鵑里Δ繊■吋薀ぅ鵑泊�子を生産する。操業開始時点の生産能力は月産約595ｔ。関東第一・第二を合算すると月産約3400ｔ。新工場には最新設備を導入し、生産スピードは関東第一工場の２倍。関東第一工場では１ラインで日産４万パックを生産するが、新工場では８万パックの生産が可能。
関東第三工場の外観
ＡＩ・ＩｏＴで「停まらない工場」
ＡＩ、Ｉｏｔを積極活用し「停まらない工場」をめざした。各機器をＩｏＴでつなぎ、タイムリーに製造状況を管理する。生産速度、歩留まりを自動調整し、設備の故障も事前に察知する。
設備異常が発生してラインが停止した際、製品を一時的に回避させて溜めておく「アキューム装置」を新たに導入した。トラブル時、ライン上に製品が詰まることで発生する落下による製品ロスを回避する。食品工場では珍しい設備という。
Ｘ線検査はＡＩによる画像センシングで異物混入を防止する。「大阪王将 羽根つき餃子」の売りでもある添付のタレ２袋はロボットによる排出で自動化し、目視検査からカメラによる自動判別に切り替える。
凍結工程はスパイラルフリーザーを導入し、大量の製品を短時間で凍結する。
関東第二工場とは建屋がつながっており、餃子の具を練る工程は共有する。関東第二工場では具材の運搬を人手に頼っていたが、自動搬送に切り替える。検証したところ、具材の運搬だけで人が１日当たり５km動いていたという。
上空から見た関東第一・第二・第三工場。関東第二工場と第三工場は建屋がつながっている
市販用冷凍餃子市場のシェア33.1％
イートアンドホールディングスによると、３〜８月の冷凍食品売上げは9.6％増96億7800万円と過去最高を更新したが、焼き調理が必要な「焼き餃子」と「水餃子」を合わせた市販用冷凍餃子市場シェアは33.1％で２位。前年同期の34.6％から1.5ポイント低下した。これは参入企業が増加したことに加え、主力の「大阪王将 羽根つき餃子」を値上げしたことで、売上げを落とした影響もあると同社は見ている。
イートアンドＨＤの仲田浩康社長は「トップメーカーは値上げをしていない。当社は値上げをして健全な利益を優先した結果、シェアを落とした。冷凍餃子は参入企業が増えており、『大阪王将 羽根つき餃子』は下期も今までのように伸びないかもしれない」と分析している。
今秋の新商品「大阪王将 謹製なにわの羽根つきお好み餃子」は引き合いが強く、出荷量が計画比1.5倍と好調なスタートを切っている。