賞味期限1.5倍に延長 ガス置換パック「明太子」の需要増大

      窒素ガス置換パックの明太子

 北九州の明太子メーカー、かねすえ(福岡県北九州市、松本正雄社長)は食品安全マネジメントシステムFSSC22000認証を取得(2018年10月)している本社工場で、量販店向けトレーパック品を主体に明太子を生産している。
 昨年、試験的に導入した窒素ガス置換パックのラインも順調に稼働している。

「賞味期限が従来品の約1.5倍まで伸びるため、食品ロス削減の観点からガス置換パック品に対する引き合いは強まっている。生産数量は次第に増加し、製造ラインの人員も大幅に増やした」(同)。
 今後はさらなる需要増大を想定し、製造ラインの増設を検討しているという。

 フタ付きクリアパック入りの追い漬け「香味の蔵」シリーズの販売も順調だ。一本物の明太子を食べやすいようにひと口サイズにカットしている。調味液が入っているため保存性が高い。

 同シリーズの「香味の蔵昆布漬け」、「香味の蔵レギュラー」、「大吟醸辛口」、「赤穂塩たらこ」を詰め合わせにした新製品「4品アソート」も順調に販売数が増えている。

前5月期の業績は増収増益

 同社の前5月期業績(2020年6月〜21年5月)は増収増益となった。松本社長は「売上高は約5%増。コロナ禍による内食需要の増加等による量販店での販売量の増加を受け、年間を通して好調だった」と説明する。

 今期の見通しは「前年好調だった量販店向けの販売は、5月の連休明け頃から勢いが鈍化傾向にある。一方、前年低調だったコンビニ向けが好調に推移しているが、原料の価格高騰により、業界全体の先行きは不透明である」(松本社長)。

 また、7月からは大手量販店向けの商品供給が新たに増えて、出荷が本格化する。昨年末以降、増産に向けた生産体制を構築しており、工場の人員を約20%増員した。

「香味の蔵」シリーズの4品アソートを通販などで販売